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今日は、予告通り、なぜ、Documentary 「キリスト教画」は、描かれなくなったか?の話です。 何度も断っていますが、私は美術史の専門家でもなく、従って、美術史に関する論文を書いているのでもなく、単に素人の思いつきを、ブログに気ままに書いているだけです。ただ、だからと言って、いい加減の、人を惑わすことを書いているつもりはないですが。専門家の人は、なるほど、素人はそういう風に考えているのか、自分たちの啓蒙が足らんかったな、と思ったらいいでしょう。そして、間違っているぞ、と気づいた人は、どんどんコメントください。 と、お断りした上で、以下の年表?を見てください。生年は、? がつくものもありますが(ほとんどそうです)、通説を紹介してあります。なお、名前は full name でなく、通称です。(こう書いておかないとすぐ間違っているぞと、指摘する人がいるので) Fra Filippo Lippi (1406-1469) Sandro Botticelli (1445-1510) Leonardo da Vinci (1452-1519) Michelangelo di Buonarroti (1475-1564) Raffaello Sanzio(1483-1520) John Wycliffe (1328-1384) Martin Luther (1483-1546) William Tyndale (1492-1536) Johannes Gutenberg (1398-1468) Gutenberg Bible 1455 Luther's German translation of the New Testament 1522 Luther's German translation of the Old Testament 1534 この年表?を見れば、私が何を言いたいか、分かるでしょう。 John Wycliffe と William Tyndale は英国の人で、聖書を、普通の人に読める英語に訳した人です。 Luther は、聖書のドイツ語訳をして、宗教革命を起こした人、ということは、誰でも知っているでしょう。 Gutenberg の印刷術によって、聖書が一般にも広く普及した、と言われていますが、1455年に、Gutenberg が出版した、最初の 42-line Bible は、ドイツ語でなく、ラテン語ですから、一般の illiterate の人には読めないものでした。 下記は、The Adventure of English からの引用です。ちょっと長いですが、ここが肝心なところですから、我慢して読んでください。 ... the Church had unique access to God and so to eternal life. Only through the Roman Catholic Church could anyone contact God and have any chance of resurrection. Wycliffe, Luther and Tydale challenged that. They wanted ordinary people to have direct access to God, and a Bible in the language of the people was the way to amke that happen. The battle over language became outright rebellion against the Roman Catholic Church as the gatekeeper to God, the claim to be His sole representative on earth, whose earthly laws all Christians must obey every bit as much as they obeyed the laws of heaven. 最初にこのことを試みたのは、Wicliffe でした。彼の英語訳 Bible は、1380年ごろから、underground で出回りましたが、結局は、Roman Catholic Church から異端とされ弾圧され、多くの協力者は殺されました。 この1380年ごろの英国の動きは、上の年表にあるルネッサンスの画家より前のことですが、彼らは知る由もなかったから、Roman Catholic Church からの注文のままに、「Bible に基づいた」documentary キリスト教画を制作し続けていたわけです。 Wycliffe と Tyngale が、人々に英語で聖書を読ませようと、どのように努力したかは、The Adventure of English に詳しく書かれています。この本は、学術論文でないので、小説のように読めます。ただし、fiction ではなく、documentary です。今気がついてAmazon.co.jp で調べたら、講談社学術文庫から翻訳が出ていました。 1,575 円です。在庫あるそうです。 これを読むと、Roman Catholic Church が、いかに Wycliffe と Tyndale たちを迫害したか、まざまざと描かれています。そして、Henry VIII が、Roma と決別して、イギリス国教会を作った後に Tyndale は、このような無残な死を遂げさせられています。 The way they chose to killl him was to strangle him, to cut him off at the voice which they did on 6 October 1536. Finally this sublime master of language, this heroic Christian scholar and the begetter of so much of our English language, was burned at the stake. His last words were: 'Lord, open the King of England's eyes!' 私たちから見れば、Tyndale にとっては、「神も仏もない」はずなのに、殺される瞬間にも、’Lord’ と、God に呼びかける神経?がわかりませんねぇ。 それにしても、人々に「聖書」を読ませまい、として、Roman Catholic Church は、残虐非道の限りを尽くしたものですね。そう考えると、キリスト教画を注文に応じてせっせと描いていた、あの頃の画家たちは、それと知らずに、それに加担していたことになりますか、な。 このブログの主旨は、こういう話を紹介することではないので、興味ある人は、「英語の冒険」や、下記 Wiki を読んでください。 http://en.wikipedia.org/wiki/John_Wycliffe http://en.wikipedia.org/wiki/William_Tyndale http://en.wikipedia.org/wiki/Martin_Luther http://en.wikipedia.org/wiki/Johannes_Gutenberg そこで、一気に結論に入ります。 このような先駆者の犠牲の上に、Gutenberg の印刷術も相俟って、聖書は各国語に訳され、印刷本として普及し、普通の人々が、「聖書」を、聖職者を介せず、自分の目で読むことが出来るようになったのです。 それは、Luther のドイツ語訳聖書が出版された 1534年以降のことです。キリスト教画を、盛んに描いていた上記の画家たちが、heaven へ行った後のことでした。Michelangelo だけは、長生きして生きてますね。だから、彼は Annunciation を描かなかったのかな。 そうして、人々が、自分で聖書を読んでみたら、Annunciation の場面など、ルカ伝に、ちょっと書いてあるだけで、キリスト教画で「読んだり」「聞かされた」のと、違うのではない。「エジプトへの逃避」もマタイ伝にあるだけだし、大体エジプトで何をしてたか、何にも書いてない、いつエルサレムに帰ったかも、書いてない。 というわけで、キリスト教画のdocumentary 性を、疑うとまでも行かなくても、信じなくなったわけです。また、教会側も人々が自分で聖書を読むようになったから、絵画で「聖書」を「読ませる」必要もなくなったわけです。 ということで、16世紀の中ごろから、documentary キリスト教画は、まったくなくなったわけでなくても、下火になりました。 Caravaggio、Rubens、Van Dyck, Rembradt は、まだ、キリスト教画を描いています。そういえば、この中でイタリアの画家は Caravaggio だけですね。ここでは立ち入りませんが、ちょっと違うかんじですね。聖書の場面より、殉教した聖人の絵の方が多くなっている、というのが、私の感想です。Velazquez は、最初はともかく後年は、もっぱら王室の肖像画ばかり描いてました。Vermeer になると、もうキリスト教画は描いていません。 ともあれ、キリストを描くにしても、もう教会の注文でなく、自分の work of art として描くようになったわけで、聖書を「読ませる」絵画は必要なくなったわけです。 それでは、絵画は、どう変わって行ったか。これは、私の手に負えない問題ですが、やるだけやってみましょう。明日に。 |
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「啓蒙時代」は、絵画空白時代だった。
今日は、西洋絵画「空白の150年」の話です。それを考えるのに、下の年号をまず頭においてください。 マルティン・ルター(Martin Luther、1483年11月10日 - 1546年2月18日)は、聖書のドイツ語訳を何度も改訂していますが、決定版となったのは、1534年版だそうです。 http://en.wikipedia.org/wiki/Luther_Bible これは、以前にも指摘しましたが、Gutenberg が最初に印刷した聖書は、ラテン語でした。人々が、自分... ...続きを見る |
英語学習もろもろ 2012/02/26 12:16 |
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