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zoom RSS Technology のもとは、「大工」。

<<   作成日時 : 2013/03/22 11:49   >>

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今日は、technology のほうの話です。
 やはり、語源から。
 もとの単語は、technic (technique) です。
 さかのぼると、ギリシャ語の tekton にたどり着きます。
 その意味は、carpenter. いわば 「飛騨の工」 に行き着くのです。
 ただし、それは、technic のこと。Technology は、また別物です。以下そのわけを。
 Technic は、日本語の中にも 「テクニック」として入っています。「テクニック」にすぐれた人を 「テクニシャン」 と呼んだりします。が、「技術者」 とは見られていません。
 ここで 「技術」 ということばが出てきたところで、technic と technology の違いを、やや唐突ですが、言ってしまいます。
 Tecnic は、日本語でいえば、「技」 に当たります。
 Technology は、「技術」 にあたります。

 「技」 と 「技術」 といえば、なんとなく違いがわかるでしょう。
 「技」 は、個人的に、訓練・鍛錬によって、習得・習熟するものです。「技」 を究めると 「名人」「名工」 などと呼ばれます。
 ある 「技」 を習得するには、すでにその技に習熟している人に習うのが早道です。ただし、その人は、どうやって教えるか知らない場合が多いし、教えようともしない人が多いです。だから、そばにいて、見よう見まねで、その技を習得するしか仕方ないです。場合によっては、「技を盗む」 ことさえあります。
 3月20日に NHK BS で放送された 「ぐるっとマレー半島5200キロ 海のシルクロードをゆく」 で
番組ナヴィゲーターの野村祐香さんが訪れた、マレーシャの造船業の町の船大工さんは、船の作り方は、親と一緒に仕事をしながらおぼえた、と言ってました。彼の傍らには、息子が一緒に仕事をしていました。「技」ですから。設計図なしでつくっているそうです。見事な 「技」 です。
 こういうのを、見事な 「技術」 とは言いません。
 「親」から習えない場合は、「親」 代わりの 「親方」 から習います。「ならう」は、もともと 「見倣う」のように、見て真似をすることです。そうやって、「父祖伝来」 というように、代々受け継いでいくものです。

 一方、「技術」は、一定の手順を踏めば、だれでも習得できる(はず)のものです。「親方」に弟子入りしなくても、各種の学校で習得できるものです。
 なぜ、そういうことができるか、というと。
 「技」が、いわくいいがたい 理屈でなく、「経験」や「勘」にもとづいたものに対し、
 「技術」は、「科学」 が生み出した 「知見」「知識」に基づいて、系統的に習得するものだからです。
 「技術」の英語 technology について、Online etymology dictionary には、こうあります。
technology (n.)
1610s, "discourse or treatise on an art or the arts," from Greek tekhnologia "systematic treatment of an art, craft, or technique," originally referring to grammar, from tekhno- (see techno-) + -logy.
The meaning "science of the mechanical and industrial arts" is first recorded 1859.
High technology attested from 1964; short form high-tech is from 1972.


 もともとは 「技」だったものが、「技術」 になったのは、近代科学が発達して、多くの 「知見」「知識」 が生み出されるようになったからです。
 ここで忘れてならないのは、「技術」 を支える 「知見」「知識」は、「自然科学的」 なものだけではない、ということです。
 そのことは、具体的に次の事実が証明します。
 Noam Chomsky は、20世紀のもっとも偉大な linguist です。その彼の研究・教育の場は、MIT です。つまり、工業大学です。
 なぜ 工業大学に言語学の先生が、と普通の人は思うでしょう。MIT には、Chomsky に限らず、数多の著名な 「自然科学」以外の分野の学者がいます。
 アメリカの例では、ピンとこないでしょうから、日本の例を紹介します。
 東京工業大学が、教養課程を持った新制大学として、発足した時の、教養課程の教授陣にどういう人がいたかご存知でしょうか。
 私の知っている範囲で紹介します。敬称略です。
 社会学では、後に文部大臣になった永井道雄心理学では、宮城音弥政治学では、管直人を政治の道へ進路変更させた永井陽之助数学では、「水道方式」という数学の学び方を開発した遠山啓一般英語担当教員の中には、チャタレイ裁判で有名な作家の伊藤整がいました。
 その他、私の知らないすぐれた社会学者、人文学者が大勢いたはずです。聞くところによると、現在は、そうでもないようですが。
 このことについては、2010年6月15日、
「チョムスキーのMIT と管総理のTIT」
http://76871734.at.webry.info/201006/article_19.html
 にも書いています。

 このように「技術」 Technology は、自然科学だけでなく、社会科学、人文科学、更には、芸術、文芸など幅広い分野の 「知見」「知識」 に基づいて、発展し、現代では、High Tech という高みに達しています。

 では、Technology は、昨日とりあげた Engineering とは、どう違うのでしょう。
 ここで、勝手に doctor stop。明日また。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
東京工業大学といえば、あの池上彰氏も2012年度からリベラルアーツセンターの特任教授をされていますね。その講義録も出版されつつあります。
takkk
2013/03/24 01:17
私が言っているのは、社会科学、人文科学の分野で知識を生み出す研究者のことで、ニュース解説者とはちょっと違うと思うのですが。
SF
2013/03/24 08:51

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