日本の教科書がなぜあんなに薄いのかーその二

「日本の教科書がなぜあんなに薄いのか?」には、もうひとつの理由があります。案外こちらの方が main reason かも知れません。

先に、教科書の価格は、政府買い上げの公定価格で、一冊の値段は決まっていることを紹介しました。
値段が定まっていれば、制作コストが低い方が儲かります。書籍の場合、ページ数が少なければ、制作コストは下がります。教科書のように大量部数を印刷する場合は、少しのページの差でも、全体コストに大きな影響があります。
だから、教科書会社としては、教科書のページ数はなるべく少ない方が、経営上は得策です。しかし、他社との競合がありますから、他社に比べて、あまり薄いと、採択に不利になります。そこでどういうことが起こっているか、といえば、表には出ていませんし、実際におこなわれているかどうかは、定かではありませんが、暗黙の談合がおこなわれているのではないか、と疑われます。そうでなければ、なぜ、ひとつの教科で、どの社の教科書も、同じ様なページ数で、薄さ(厚さではない)を揃えているか理解できません。
マスコミには、こういうところを取材して、社会に知らせてほしいものです。

かくして、教科書会社の利害と教員側の利害の一致するところ、日本の教科書は、あんなに薄くなっている、というのが私の見解です。皆さんのご意見を伺いたいとおもいます。これは一種の複合汚染ですね。

そこで、こういう事情で、教科書会社が、「デジタル教科書」を作ると、どうなるかです。

先日「協議会」事務局長の中村氏のブログから、次の記述を紹介しました。

デジタル教科書は、主に教員が電子黒板などにより子どもたちに提示して指導するための「指導者用」と、主に子どもたちが学習するための「学習者用」に大別されます。

先ずは、「デジタル教科書」に指導者用と学習者用がある、というのには、びっくりしました。しかし、続きを読んでみると、納得が行きました。

現在、若干の教科書発行者から発行されているのは、いずれも指導者用デジタル教科書です。
 教科書協会が教科書会社にアンケートを取ったところ、指導者用の教科書では、小学校向けは7割の教科書会社が発行予定ないし検討中としています。これに比べ中学校向けでは検討中とするところが多く、発行予定とするところは少ないです。

 これに対し、学習者用はまだ模索段階。児童用の教科書では、小学校向けも中学校向けも発行予定としている会社はなく、検討中が3?4割程度だといいます。未だコスト面がネックとなっているようです。また、活用するための学校側のインフラが不十分であることや、デジタル教科書を使った授業の開発が不十分であることもまだ本格制作に移れない事情のようです。

そもそも「教科書」は、読んで字のごとく、「教科」、教える科目を教えるためのものです。だから、それは、教師が使うものとされています。よく、「教科書を教えるか」「教科書で教えるか」が、教育現場で問題にされますが、どちらも教師が「教える」ために使うという点では、同じことです。だから、教科書会社は、従来、教師を user として想定して「教科書」を作り、教師に気に入られるように「教科書」を作ってきたわけです。

しかし、「デジタル教科書」は、タブレット型端末で、生徒が download して使うというと、感覚的に、これは「生徒が使う」ものだという感じになりますね。そこが、教科書会社をとまどわせている、と私は考えます。
しかし、「デジタル教科書」は、一応試作しなければなりませんので、まずは、手馴れた教師対応型を作ってみようということになるのでしょう。それを中村さんなど、外部の人からみると、「指導者用」とみなされるのではないでしょうか。
そして、中村氏も指摘するように、「学習者用」は模索段階だそうです。
その点、今まで学習参考書を作ってきた出版社は、どうなんでしょうね。そういうところが、「デジタル教科書」ならぬ「デジタル学習書」を作ったらどうでしょう。
更には、ソフトバンクなどの、顧客重視 IT 企業が、学習者を user として設定する「デジタル学習 device」を制作して検定に出したらどうでしょうか。
そうすると、どういうことになるか、明日にでも。

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