いろいろなイリュミネィションの例。

それでは、今日は、私の Illuminated manuscript 関係の本の中から、どのように illuminated されているか、画像で紹介します。
 これらの画像は、smart phone の CamScanner という application で、まず、scan した画像を、Evernote に upload した後に、
 今度は、PC 上で、同期された note の画像を、photopaint で処理したものです。ちょっと不鮮明な部分もありますが、まあ我慢してください。
 最初は、1485年 Firenze の民間工房で制作された Book of Hours からの見開き2ページです。製作者の名前も、illumination 担当者の名前も明記されています。
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 なぜ、これをとりあげたか、というと。
 先に、illumination は、この後紹介text の内容と関係のない、動植物をあしらったものが多い、と書きましたが、このように、聖人とか天使とか、聖書の話と関係のある人物像で illuminate する場合も多いので、まずそういうものを紹介したわけです。ざっと見た感じですので、明言は避けますが、修道院で制作されたものには、そういう傾向が多いと感じました。どなたか、詳しい人いたら、ご教授ください。
 で、いよいよ、text と関係ない illumination の例です。下の画像は、1465年 Bologna の民間工房で制作されたものです。Illumination 担当者として、2名の名前が明記され、another artist としてもう一人紹介されています。画像が小さいですが、PC で見ている人は、Ctrl key を押したまま、mouse の wheel button を回すと、画面の拡大・縮小が出来ますので、試してみてください。この操作、案外知らない人おおいです。
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 右や左の borders (marginalia) には、いろいろな動物が描かれています。猛獣のようなのが多いです。天使も何人が描かれています。左の marginalia の端や、一番下のほうには、花が美しく描かれています。下のところに、二羽の孔雀が描かれています。ここだけは、拡大画像を作りました。こういうのは、なんとなく illumination という感じがしませんか。
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 これもざっと見た感じで明言は避けますが、イタリアの illumination は、動物や人物がが多いのに対し、フランドル地方のものは、鳥や花が多いようです。
 下は、制作年が明記されていないので分かりませんが、1475ー1550年の間に製作された「歳時記」の一ページです。旧約聖書の Tobias and the fish の話が描かれています。Marginalia には、話と無関係な花々や蝶々、カタツムリが描かれています。拡大して見てください。
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 キリがありませんので、これで最後にします。My Teasure の The Hours of Mary of Burgundy から紹介します。1470年代にフランダースで制作されたものです。現在は、ウィーンの Osterreichische Nationalbibliothek に保管されています。なぜ、Mary of Burgundy の「時祷書」が、フランダースで製作され、ウィーンに保管されているかは、Haus Habsburg のことにちょっと詳しい人なら分かる話ですが、余談になりますので、また、別の機会にします。
 下の画像は、「エジプトへの逃避」The flight into Egypt の場面のページです。それこそ余談ですが、一家は、飛行機で行ったのではないのに、英語では、flight を使うのですね。flight to Egypt で google すると、エジプトへ航空便の紹介がいっぱい出てきます。
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 なお、聖書のこの場面は、Giotto はじめ多くの画家が描いています。興味ある人は下記サイトを。一言付け加えると、なぜこの場面を多くの、特にルネサンス期の画家が好んで描いたか、というと、要するに道中の場面ですから、「風景」を思いのままに描くことができたからです。
http://art.pro.tok2.com/Bible/BYoung/06Egypt/06FlightEgypt.htm
 話を戻して、このページの marginalia を見ると、エジプトとはまったく関係のない花々や動物、昆虫が描かれています。
このページでは、下の marginalia には、サルとイチゴが描かれています。こういうのが、なぜ illumination か、ちょっと分かりかねるのですが、それにしてもサルはよく出てきます。人類の先祖として取り上げているのでしょうか。このあたり、詳しい人いたら、教えてください。
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  最後にもうひとつ。これは、initial 文字を illuminate したものです。ここには、text の内容と関係のあるものや、この場合のように花飾りや、各種各様の illumination が使われます。
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 ということで、Illuminated manuscript の illumination が、どういうものか、いくつか紹介しました。"illuminated manuscript" で google すれば、いくつもサイトがあり、豊富な実例がありますので、いろいろ見てみるといいと思います。
 そこで、Illuminated manuscript の、illumination で、特に、「自然」のものを取り上げたのは、このところのブログ全体のテーマと関係があるからです。
 次回からは、それについて話します。

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  • 「絵描き」は、「ありのまま」が好き。

    Excerpt:   「ありのまま」を「ありのままに」描くのは、Millet (その他のバルビゾン派の画家)によって始まった、と、昨日書きました。   http://en.wikipedia.org/wiki/Bar.. Weblog: 英語学習もろもろ racked: 2012-03-05 09:51
  • Excerpt: 昨日、「美」は、「頭」で考えるものでなく、「心」で感ずるもの、と、まあ言ってみれば、当たり前のことを言いました。  問題は、「美」が心で感ずるものならば、なぜ、Flickr photo が、心.. Weblog: 英語学習もろもろ racked: 2012-04-16 16:49
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