ポンペイの x-rated 「絵画」

 昨日は、ヨーロッパ中世の「絵画」として、Illiminated manuscript を紹介しました。それらは、今でこそ「美術館」などに収納され、一般公開されていたり、ファクシミリ版や「画集」などになって、普通の人でもみることができますが、これらは、全部一点物で、当時は注文主しか見ることができないものでした。いわんや一般民衆の目に触れることはないものでした。だから、普通の人々にとって「美」の対象としては存在しないも同然のものでした。
 余談ですが、Illuminated manuscript の中に、Book of Hours (時祷書)と呼ばれるものが数多くあります。キリスト教では、時間を決めてお祈りをする習慣があります。その時の、いわば「お経」の本です。聖職者はともかく、それに出席する貴族にとっては、案外退屈なものだった、かも知れません。そこで、きれいな装飾の、しかも、昨日も紹介したように、聖書の内容と関係のない、花や動物や文様の装飾の挿絵の入った 「時祷書」を眺めて、退屈を紛らしていたのでは、というのが私の想像です。どう思いますか。こんなこと、美術史家は、論文や書物で、まともに書けないので、誰も指摘してませんが、案外当たっているのでは。素人がブログでしか、書けないことです。
  では、普通の人が見ることのできる「絵」は、なかったか、というと、中世のことは、ちょっと分かりませんが、遡って、ギリシャ、ローマ時代のことなら、現在まで残っているものがあります。
  時代順にまず、ローマ時代です。
  ポンペイのことは知っているでしょう。79年のヴェスヴィオ火山噴火による火砕流によって地中に埋もれたままになっていましたが、18世紀に発掘が開始されました。
  長いこと埋もれたままになっていたので、発掘したら、当時のそのままの生活ぶりが分かる事物が、続々発見されました。
  http://en.wikipedia.org/wiki/Pompeii
  現在もまだ発掘が続けられています。東大名誉教授で、国立西洋美術館 館長の青柳 正規氏が、発掘にかかわって見えます。
  発掘物を貯蔵している施設の中に、非公開の部屋があります。何が収納されているか、というと、いわゆる x-rated の壁画や事物です。
  これは、あまりおおぴらになっていませんが、発掘して、一番びっくりしたのは、当時のポンペイにおける性生活というか、性風俗でした。そして、そういうもの描いた絵画がいっぱい見つかったのです。ポンペイが、火山噴火によって地中に埋もれなかったら、その後キリスト教化したローマによって、破壊されたり、捨てられたりする運命にあった X-rated の「絵画」が、そのまま残されていたのです。しかし、それを発掘時のキリスト教支配の西洋世界で公開するわけにはいかないので、ひそかに別室に門外不出で保管されていたのです。
  しかし、時代は変わったらしくて、CS の History Channel で放映された「古代のセックス」ポンペイ編で、その一部が紹介されています。最初に「子供には見せるな」という趣旨の警告があります。後から紹介しますが、「古代のセックス」エジプト編もあります。この番組、思い出したように、時々再放映されます。
  たまたま、1月13日(金)21:00、14日(木)深夜02:00、15日(日)11:00、18日(水)10:00と、4回放映されます。それぞれ一時間番組(実質45分)です。
  CS を契約してない人は、ニコニコ動画(会員手続き必要)やはてな動画(手続き不要)で、抜粋版を見ることができます。
  http://www.nicotwitter.com/watch/sm9769542
  http://d.hatena.ne.jp/video/niconico/sm9740511
  公開されている、当たり障りのない「絵」を一枚紹介しておきます。
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  キリスト教化された西洋文明世界では、x-rated の絵画は、ながーいこと禁止されていました。裸体画自体もだめでした。ギリシャ・ローマ文明の Renaissance の趨勢によって、Botticelli が、The Birth of Venus によって、裸の Venus を描いてから、ギリシャ・ローマ神話の Goddess を描くことは、教会からも許容されました。しかし、pubic hair は、描かれていません。まさか、Venus は、剃っていたのではないでしょう。
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 そして面白いことに、それらの「裸体画」は、naked body を描いているのですが、naked は、生きた人間の「裸」のことですので、それでは具合が悪いので、Venus 裸像についは、naked でなく、nude ということばが使われました。だから、ポルノ女優の「裸体画」や「写真」は、本来の nude ではないのです。
 そういう状態が続いた後、スペインでゴヤが、「着衣のマハ」をカムフラージュとして、「裸のマハ」を描いたとき、それがばれて大騒動になりました。なにしろ、「画家」という商売が誕生して以来、Goddess でない 女性の裸を、それも public hair まで、描いたはじめての「画家」でしたからね。この絵が、見つけられて大騒動になり、ゴヤは何度か裁判所に呼ばれましたが、裁判の後、絵は100年弱の間、プラド美術館の地下にしまわれた。公開されたのは、1901年のことでした。詳しくは、下記 Wiki を。
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http://en.wikipedia.org/wiki/La_maja_desnuda
 そして、「裸のマヤ」が、まだ、地下に眠っている間の1863年にエドゥアール・マネが、描いた Oympia (オランピア)が、またまたスキャンダルになりました。これは、Pubic hair とことろは、手で隠しています。
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 なぜ、スキャンダルになったか、有名な話です。知らない人は、下記 Wiki やその他のサイトを読むとよいでしょう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Olympia_(Manet)
 という話なのですが、なぜ、こんな話をするか、というと、今日は長くなるので、続きは明日に。

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この記事へのコメント

takkk
2012年01月08日 06:27
ニコニコ動画見ましたが、驚きです。興味深いですね。

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