「門番」が死ぬ日が、近づいている。Death to the Gatekeepers.

「門番」の話は、昨日一回で終わる予定でしたが、やはり、紹介しておきたいな、と思う話が、あります。
 2,011年2月に『キュレーションの時代』という本をだして、日本に「キュレーション」ということばを、一部のサークルではありますが、はやらせた佐々木俊尚さんが、今度は『当事者の時代』という本を、光文社新書で出しました。468ページ、960円です。
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 佐々木さん、毎朝「おはようございます」で始まる一連の「朝キュレ」とよぶ tweet を発信しています。『キュレーションの時代』がヒットしていらい、follower の数が爆発的に増え、それまで、千人台だったのが、今では、15万2060人。
 その follower の間で、『当事者の時代』についての tweet がほぼ毎日あり、それを佐々木さんが RT しているので、その人たちを follow していなくても、連日『当事者の時代』に付き合うことになります。さぞ、売れていることだろうな、と思ってましたら、意外なことに、ご本人が、この本、マスコミから無視され、売り上げた伸びない。Follower からは、本屋に平積みされてますよ、という tweet が盛んに寄せられていますが、何故か、売れないようです。3月16日の発売ですが、まだ、増刷にいたってません。Amazon.co.jp のカスタマーレビューも、発売一ヶ月過ぎた4月19日現在で、まだ11件、星5が3、4が1、3が3、2が2、1が1で、平均3、という芳しくない結果です。
 マスコミから無視されるのは、ある意味で覚悟の上だったはずですが。なぜなら、彼はいつも、出版業とか新聞とかテレビというマスコミは、もう終わりだ、というようなことを、tweet していますから、それらの分野の「門番」が、門前払いをして、書評に取り上げたり、話題にしないのは、当然でしょう。
 そこで、頭に来た佐々木さんは、出版元の光文社にも断りなく、「門番」のいない、個人電子書籍発行サイトの「パブー」から、個人出版をしたのです。つけた値段は490円。新書版の丁度半額です。私の考えでは、個人出版するなら、Amazon.com の Kindle の標準が 99 cent ですから、日本なら100円にすべきですが、まあ、それは本人の勝手ですから。
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 表紙のデザインも違っているでしょう。買いたい人は、下記サイトで買えますよ。
 http://p.booklog.jp/book/47797
 少し余談です。出版社から出した本を、自分で勝手に電子書籍として個人出版できるのか、と思う人もいるでしょう。
 これも、今、問題になっていて、佐々木さんも twitter で、何度も問題にしていることですが、
出版社が「著作権」と言って主張しているのは、著作隣接権とでもいうべきもので、たとえば、「本」の印刷組版の「権利」は、出版社にあります。しかし、本の中身、つまり、書いてあることの「著作権」は、「著者」のものです。だから、「著者」が、まったく別の組版の紙の本や、PDF の形で、まったく違うページ構成の「本」を電子出版することは、「著者」の「権利」であって、出版社は、それに対して意義は挟めないのです。
 ちなみに、この本の場合、紙の本は、468ページですが、電子版の PDF では、241ページです。一ページあたりの分量が多いのです。
 私は、Kindle を使いだしてから、原則「紙」の本は、買わないことにしています。英語では、ほとんどの本が、Amazon.com から Kindle edition が買えます。では、日本語版はどうしているのか、というと、少し前から、Amazon と日本の出版社が、盛んに交渉していて、少し前の話では、4月末には決着がついて、日本語対応の Kindle 発売の運びになる、という報道が盛んになされていましたので、紙の本は、控えて、それまで待とうと、思っていました。それが、まだ、長引いていてう最近の報道では、今年末までには、Kindle 日本語版が発売され、日本の出版社が Kindle 判を発売する、という話です。
 Kindle 日本語版が発売されると、米国版のように、出版社の Kindle 版だけでなく、個人の Kindle 版を、Amazon.co.jp の Kindle shop (まだ、出来てませんが)で、値段も中身も。「門番」に干渉されずに出版することが出来ます。
 佐々木さんのtweet をみていると、実は、彼はそれを待っていたのですが、いつになるか分からないので、意を決して、現在日本で最も普及している個人電子出版サイト「パブー」からの出版に踏み切ったのです。
 Amazon.com から買った Kindle でも、PDF file なら、日本語でも読めることを知っていたので、早速「パブー」のサイトへ行って、『当事者の時代』の PDF 版があるか確かめました。基本は「パブー」版で、この場合は、専用のリーダーがいると思いますが、PDF なら、パソコンでも読むことも出来ます。タダ、パソコンでは寝転んで読めないので、私は、もっぱら Kindle です。
 そこで、ついでに、どうやって、Kindle に取り込むかを紹介しておきます。簡単なことですが。
 「パブー」で、各種ある支払い手続きの中で、最も簡単な、とりあえず買う、という credit card 払いを選んで、購入手続きをすますと、download の案内がでますので、PDF を選んでパソコンに download します。どの folder に入ったか、確認しておく必要があります。通常は「ダウンロード」という folder に入ります。
 Kindle を USB ケーブルで、パソコンとつなぎます。そうすると、外付け drive として認識されるので、それを開いて、その中の document とう folder を開きます。パソコンの HD の、PDF の入っているfolder を開いて、PDF file を Kindle の document folder へ、drag してcopy します。
 USB cable を外して、Kindle の document folder を開くと、voila! ちゃんと『当事者の時代』が入っています。
 早速、読み始めましたが、文字が小さくて、読みにくいので、フォントサイズを変えようとしたら、日本語は対応していません。表示の倍率を大ききすることができますが、そうすると、ページがはみ出してしまいます。そこで、横向きにしたら、文字サイズがやや大きくなって、読みやすくなりました。横向きの場合、ページ送りなど、多少面倒ですが、慣れれば何と言うことありません。
 今朝の段階で、241ページ中、50ページまで読みました。
 佐々木さんの follower の tweet によると、iPad でも読めるそうです。iTune store 経由でなく、多分「パブー」から、PDF 版を download して、iPad に入れるのでしょうか。
 PDF file を、smart phone の SD card に入れれば、smart phone でも読むことができます。
 『当事者の時代』パブー電子版の売れ行きが気になりますが、佐々木さんが、電子出版に踏み切った意義は、過少評価すべきでないでしょう。
 これは、出版社がもっとも恐れている事態です。佐々木さんに習って、多くの人が、個人電子出版し、100円くらいで売り出したら、出版社は、上がったりですからね。ネット配信が主流になって音楽界で、CD などの音楽出版が立ち行かなくなったのと同じ状況が起きます。
 だから、日本の出版業界は、結束して、何とか、Amazon Kindle の普及を妨げようとしていますが、今のところだんだん劣勢になっているようです。
 私も、Amazon Kindle 日本語版が普及したら、今まで blog だけでなく、以前に書いたものも、まとめて Kindle shop に「出品」する予定です。そのときは、よろしく。100円ですから、
 学校では、先生が、社会でも年長者が、生徒・学生に「本読め。本読め。」とうるさくいいます。その本は、それぞれの分野の「門番」に「門」を通された「年長者」の、多くはすでに死んでしまった人の「本」です。
 ネットで、若い人の blog を読んでいると、若者文化や思考が分かるだけでなく、同じ若者がよんだら、そして、それについて意見を交換したら(そういうことがネット上ではできます)、時代遅れの「門番」の通した本より、よほど「勉強になる」文章がおおくあります。
 そういう若者が、本を出そうと出版社に持ち込んでも、「門番」のおめがねにかなわなければ、出版できません。
 学校も、「本読め」というのでなく、「本書け。本書け。」と言って、「本」の書き方を教え、self service で、個人電子出版することを奨励すべきでしょう。このこと、このブログで以前から繰り返し言ってます。
 学校の教員は、大学教授も含めて、本を読むことは、好きだけど、本を書くのは、ちょっとして文章を書くのも苦手という人が多くいます。これからの教員採用試験には、ブログをどれだけ書いているか、とか、電子出版したことがあるか、とか、そういうことを条件にすべきでしょう。
 ということで、「門番」不要、というか、Death to the gatekeepers の時代が、ひたひたと迫っていることを、実感したことの紹介でした。

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