「学習工学」は、「利用技術」。それって、なに?

「技術」 は、普通は、何かを作り出す場合の 「開発技術」 の意味に使われています。英語でいえば、developer technology です。
 それに対して、「開発技術」 が作り出した hardware/software を、うまく利用する 「技術」 が想定されます。
 それを 「利用技術」 と呼ぶことができます。
 が、google しても、こんなのばかり出て、「利用技術」 そのものをとりあげたものは見当たりません。
画像

 その英訳を紹介するものがありますが、その英語自体が、ここに取り上げる 「利用技術」 とは違うものです。このことは、この後すぐ説明します。
 なぜ、「利用技術」 という concept がないか。
 これは、ある意味では、当たり前のことです。
 なぜか、というと。
 「開発技術」 は、常に、簡単に、容易に、だれにでも 「利用」 できるものを作ろうとしているからです。
 言い換えれば、「利用」 するのに 「技術」 など要らないものを開発しようとしているからです。「利用技術」 など要らないので、そういうことばも要らなかったのです。(過去形にしています。その意味は、やがて分かります。)
 そういう 「開発技術」 のお蔭で、だれでも 「技術」 と呼ぶほどでもない 「腕」 で、自動車の運転ができ、だれでも写真や動画が撮れるようになっています。昔はかまどで炊くのに 「技術」 が要った、ご飯炊きも、スイッチを押すだけです。
 「利用」 するのを、ますます簡単に、安全により安くできるようにすることが、「技術革新」 でした。
 今では、まだ 「利用」 がやや難しいことでも、もうすぐ、そしてますます簡単に 「利用」 できるようになることを、だれも 「技術」 とは呼ばなかったのです。
 多分、私以外は。
 では、私のいう 「利用技術」 はどういうものか。
 まずは、ひとつの例を挙げます。
 自動車、普通には 「車」 car は、移動のために 「利用」 するものです。だから、車の開発者は本来の目的のための 「利用」 を、より簡単、安全、快適に、更にだれにも手に入り価格で提供できるように努力してきました。
 ところが、若者でも車が手に入り、すぐに運転できて、人目につかない離れたところへも自由に行けるようになると、まずは、車社会が先に発達したアメリカの若者が、車の開発者が想定してなかった 「利用」 をはじめたのです。
 ここで、ちょっと話をさかのぼります。先に "利用技術" を google したら、 その英訳を紹介したものがありました。application technology となっています。これは、「開発技術」 の一環で、ある技術を他の技術に apply することで、「利用」 に際しての技術とは別物です。
 私の言う 「利用技術」 は、開発された hardware/software を、developer が想定してなかった方法で 「利用」 する 「技術」 なのです。
 User の 「技術」 ですから、英語でいえば、user technology です。そんな英語の言い方あるか、と google してみると、そういう phrase はありますが、私の言う意味とは、まったく違ったものです。
 やっぱり、globally にも、I am the only one. のようです。そういえば、ひところ教育界で only one がはやりましたね。今はどうですか。
 話をアメリカの若者に戻して。
 彼ら・彼女らは、本来移動の手段であった車を、道の真ん中でなく、人目のないところに止めて、「密室」 として 「利用」 し始めたのです。
 スコットランド民謡に Comin' Through the Rye があります。日本語の訳詩は、「誰かと誰かが麦畑で逢引きしていたいいじゃないの」です。小学校唱歌になってました。
http://www.darachweb.net/SongLyrics/CominThroughTheRye.html
 日本語訳では、逢引きですが、原詩では in a body kiss a body です。Kiss だけで済んだとは、だれも思ってはいません。それだけなら、わざわざ麦畑で隠れてすることはないでしょう。村を外れれば、人目につかない場所がどこにでもあった時代には、恋人たちの 「逢引き」 の場は、戸外でした。個室などない、家族雑魚寝の時代ですから、寒い冬の間は、戸外で 「逢引き」 できません。春になるのを待ちかねて 「逢引き」 します。次の冬が来るとまた逢えなくなります。会っても顔を合わせるだけか、せいぜい短い kiss しか交わせません。
 そこで、ちゃんと legitimately に、いつも一緒に過ごせるように結婚を急ぎます。その頃は、6月になっているので、June bride が大勢誕生するのです。ヨーロッパの話です。 
 都市化が進み、人口密度が増えると、恋人たちは、人目につかない場所を見つけるのが難しくなりました。
 そういう時に、特に 「アメ車」 というでっかい空間をもった車が、中古なら若者でも手に入る値段で出回り始めたのです。しかも免許は、州によっては、16歳から、学校の授業でもとれる。
 現在では、ほとんどの車の前部席は、separate seats です。初期の車は、bench seat で、真ん中で分かれてなくて、bed としても 「利用」できました。ギアが、floor shift でなかったので、そういう設計が通常だったのです。
 運転上は、floor shift のほうが、すぐれた技術なので、separate seats type の車が普及し始めても、当時のアメリカの若者は、旧式の bench seat の車にこだわった、という話です。後部座席は、今でも bench seat ですが、「移動」 するのに、いったん外へ出なければならないので、嫌ったのです。Separate seat は、当初は reclining でなかったことも影響していました。
 以上の話、どういう話か、各自のご想像に任せます。
 車に限らず、「えっ。こんな使い方があったのか!?」 と developer が、びっくりするのが、user technology なのです。
 今の車の例ですと、そんこと、別に 「技術」 と呼ぶほどのことではない、というでしょう。
 だから、「技術」 という漢語をなるべく避けて、technology といっているのです。
 何度も指摘しているように、technology は、だれにでもできるようにすることでした。
 User technology は、だれにでもできる simple technology なのです。そして、それは、developer の気づかなかった technology なのです。
 長くなるので他の例を挙げませんが、子供が、本来の用途を知らない器具をいじくっていて、大人をびっくりさせるような使い方をしているのを見聞したことありませんか。
 で、この時点で、user technology を持ち出したのは、
「学習工学」 の learning technology は、user technology
ということに、皆さんの目を開かせたかった、からです。
 そのために、google でも出てこない 「利用技術」 や learning technology について、皆さんがもっとも興味を持つであろう例で説明してみたのです。よくわかりましたか。こういう話は、大学教授の 「業績」 となる 「論文」 にはでてきませんよ。
 明日は、learning technology が、user technology であるゆえんと、その好例についてです

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック