変な教科書使うより、大村はま先生を見倣ったら。

「変な教科書」 についてケチをつけているだけでは、詰まらない。
 今日は、constructive strategy を提案します。もっとも destructive と思う人もいるでしょうが。
 時々この blog に登場する、元文部省主任英語教科書調査官の O 先生が、その役職にある、ある時、私にこんなことを話しました。今から、30年以上前になるでしょうか。
  これだけいろいろ英語の雑誌や英字新聞やテレビ番組のテキストや英米からの輸入図書も自由にはいるようになったから、もう英語の教科書はやめて、そういうものを自由に使ったらどうだ、という議論が文部省 (当時) で行われているよ。
  先生は、それに賛成でした。そうなれば、英語教科書調査官の職はなくなるのに。
  誰がそういう議論をしていたか、というと。
  文部官僚のほとんどは、行政職です。法学部出身者が多数を占めています。英語教育の専門家といえば、三人の教科書調査官と一人の教科調査官だけです。
  ということは、英語を教えた経験のある人は 4人だけで、後は、英語を教えられた人たちです。学生時代に家庭教師や塾のアルバイトで教えた経験のある官僚もいるでしょうが。
  ということは、教科書などなくても、いいんじゃ、という発想は、教えられる側、つまり、私のいう 「学」 側の発想です。
  話をちょっとそらします。
  教科書だ、TOEFL だ、入試だ、というと、盛んに発言するのは、いつも 「教」 側の人が多いようです。
  その点、House of Representative の member である政治家は、自分が represent する citizen、その大部分の 「学」 側の代弁者です。
  今回の TOEFL 問題にしても、「学」 側に立ったものです。それに対して 「教」 側が、一斉反発している、という構図です。
  
  政治家は表立って発言しますが、官僚はそういうことができないので、マスコミに情報を leak します。
  どうやら、英語教科書は要らん、という議論は、マスコミが取り上げず、どこかに消えてしまったようです。
  その頃では、この名案には、無理がありました。当時高校教科書は有償だったと覚えていますが、それにしても安いものでした。というより、安くするためにペラペラの安物でした。
  その教科書を廃止して、市販品を使うとなると、金のない子はどうする、と、猛反対が起こるのは必定です。多分そういうこともあって、the 名案は、日の目を見なかったのでしょう。

  それから、30年以上、今ではネット上にタダの、うまく使えば、変な教科書により、格段に優れた 「学習材」 になる material がいっぱい転がっています
  
  そうすると、学習指導要領がどうのこうの、検定教科書を使わないと違反にならないか、と現場や、多分指導主事レベルで、異論がでるでしょう。
  
  大村はま、という国語教師を知っている人は多いでしょう。Wiki には、次のように説明してあります。
新聞・雑誌の記事を元にした授業や生徒各人の実力と課題に応じたオーダーメイド式の教育方針「大村単元学習法」を確立した
 この実践の結果、数々の賞を受け、最後には、
 「日本の国語教育の向上に勤めた」 功により、勲五等瑞宝章を受章。

 google でいろいろ調べてみましたが、大村先生が、生徒の持っている教科書は、無視したのか、どのように扱ったのは、分かりませんでした。詳しい人教えてください。
 いずれにせよ、検定教科書以外の material を、文部省の、あるいは、教育委員会の許可なく、あるいは黙認で、使ったことは確かです。

大村先生の時代は、新聞・雑誌の記事くらいしか使うものがなかったでしょうが、今なら、紙だけでなく、video などの multimedia のものもいっぱいあります。YouTube, TED, NBC/CBS/ABC/BBC などの英米放送局の podcast, etc. 何でもありです。
 新聞・雑誌の記事にしても、digital text ですから、c&p して簡単に引用/使用できます。

 それも日々新たです。
 何が悲しくて、ロクでもない人間が作ったロクでもない薄ぺらい教科書を、一年もかけてだらだらやっているのか、世間は理解できないでしょう。ということは、世間を represent する政治家も理解できないでしょう。Public servant たる文部科学省の官僚も理解できないでしょう。
 公立学校の英語教員なら a kind of public servant です。ここは、生徒と、その成長 (知的成長ですよ) を願っている親のために、変な教科書を捨てて、大村はま先生のように、ネット上に溢れているタダの 「学習材」 を 「元にした授業や生徒各人の実力と課題に応じたオーダーメイド」 の授業をやってみる英語教師は出てこないものか、そうすれば、勲五等瑞宝章がもらえるのに、と思うのですが。What do you think?
ということで、皆さんにも一晩考えていただきましょうか。実際できるものかどうか?

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この記事へのコメント

kk
2013年05月11日 23:35
教科書と言えば、毎年春と秋になると、これでもかと言うくらいの教科書見本が送られてきて閉口します。どれをとっても「帯に短し襷に“短”し」で、使う気になりませんが、いったいあの見本をつくって送るのにどれだけの費用がかかっているのかと思うと、教科書の値段も、とても「適正価格」とは思えなくなってきます。
SF
2013年05月12日 09:50
私は retire して10年以上になるのに、いまだに南雲堂から、毎年春秋見本が送られてきます。たまに開けてみることがありますが、まずは、値段にびっくりします。中身には、あきれます。
こんなものを買わされる学生に同情します。自分が親だったら、腹が立ちます。
あれだけ見本を送料を書けて retire した人まで、調べもしないで、送りまくっているのは、採算が取れるからでしょう。ということは、ああいうものを採用する大学教師が数多いる、ということです。やっぱり、バカは死ななきゃ治らない、ですね。

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