英語クラスを flip するビデオは、Kahn 流ではダメ。SF 流だ。

  今日は、ちょっと頭をひねらなければならない話です。もっともひねれば、頭がよくなると思いますが。

  このところの話の元は、>flipped classroom です。
  Flipped classroom が、流行るきっかけになったのは、
  Salmon Khan が、TEDTalk で、
  Let's use video to reinvent education.
  と呼びかけ、それに Bill Gates が呼応して、彼のfunding で、Salmon Academy ができ、
  誰でもが、その video を使えるようになった、ことでした。
  以上復習です。

  Video というなら、私の方が、Kahn より先だよ、
  と言って、TESCO と ヤマハの、私の取り組みを紹介しました。

  賢明な読者なら、もうお気づきでしょうか。
  教えることは、「video に任す」 という点は共通していますが、
  Kahn の video と 私の video との間に、「教えること・学ぶこと」 について、本質的というか、根本的な approach の違いがある、
  ということを。

  先に紹介した flipped classroom の infograph にこういうのがありました。
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  現在主流の flipped classroom は、lecture 形式の 「授業」 を video にして、
  それを、homework として家で見て、
  Classroom では、それに基づいた、project 的な、生徒の自主的な active learning を行おう、
  というのでした。

  私が作った video が、どういうものだったか、そのために、ながながと紹介しましたが、思いだしてください
  Lecture ではないですね。
  特に、単語を教える video では、出てくるのは、「絵」 だけです。聴くのは単語の発音だけです。
そして、lecture のように、聴くだけでなく、自分で発音をしなければなりません。

  これは、どちらがよい、どちらが優れている、ということではありません。
  学ぶものが、違う
のです。
  
  現在主流の flipped classroom での学習対象は、lecture で与えることのできる 「知識」 です。
その lecture を video で収録しよう、というのが、
  Kahn さんが、
  Let's use video
  という video の使い方です。
  
Lecture を video にする仕方には、現在二通りのものがあります。
  ひとつは、Kahn Academy の、特に Kahn さんの lecture のように、lecturer の姿は見えず
  board 上に、lecturer が書く、文字列と、それにともなう音声の lecture を収録したものです。
  Udacity も、この形式です。
  
  もう一つは、Princeton U. などが提供する MOOCs で、こちらは、
  Lecturer が、lecture しているものを、そのまま video 収録しています。
  「黒板」 に板書するだけの lecture でなく、
  実際の lecture が、そうであるように、各種の visual aids を使った lecture もあります。

こうなると、classroom での「先生」 の役割は、「教えること」 teaching でなくて、「導くこと」 guide on the side になる、
  と、今までの授業方式を flip するので、flipped classroom と呼ばれたのでした。

  この flipped classroom、先にも紹介したように、日本語では 「反転授業」 という、私に気に食わない訳語になっていますが、最近結構話題になっています。英語教育界や英語教育専門家は、この動きに疎いようですが。Am I right?
「反転授業」 で google してみてください。いっぱいありますよ。
  いくつかを紹介します。
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 記事の題名は、「一斉授業からの脱却 反転授業」
 東大の山内教授が日経パソコンに寄稿しています。
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 "東大も変わる" と騒いでいます。
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これ、misleading ですね。東大全体でなく、ある教員がたまたまやってみているだけなのに。

  これらのサイトを実際見てみるとわかることですが、「反転授業」 として、行われている、あるいは、行おうとしているのは、「講義」 lecture 形式の 「授業」 を 「反転」 するものばかりです。
  これが、「反転授業」 だ、と 「誤解」 すると、
  これを、「英語の授業」 に当てはめた場合、
  現在でも、中学・高校・大学の、英語の 「授業」 で行われている、英語学習としては、時代遅れの、outmoded の、
  文法事項説明のような lecture を video 収録して、これを homework にするということになりかねないのです。これ杞憂かな。
  そうなった場合、classroom では、何をするのかな。

  明日以降の話になりますが、英語は、「講義」 lecture で学ぶものではないでしょう。
  英語を 「教え・学ぶ」 ための、flipped classroom は、lecture を収録した、video ではダメなのです。
  Kahn Academy や、MOOCs 方式ではダメなのです。

  どうしてダメか、では、どのようにすればいいのか、
  最初に書いてあるように、ちょっと頭をひねればわかるでしょう。
  今日は、土曜日ですから、暇があったら、ちょっとひねってみてください。

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この記事へのコメント

kk
2013年06月15日 15:56
英語の「授業」を flip できるとしたら、旧来のいわゆる文法訳読でしょうね。ただ、私の経験上、文法訳読は「予習」と称する「自己学習」の中でほとんどのことを学んでいた(授業は単なる発表の場だった)、ということを考えると、それを flip することにはほとんど意味がないと思います。
本来、language learning というのは skill training であって、そもそも lecture - homework という組み合わせになっていないので、flip しようにもできるものではない、ということになるのでしょうか。
SF
2013年06月15日 21:08
だから、英語学習は、Kahn 流では、flip できなくて、SF 流でなくては、と言っているのです。
この後、SF 流を披露します。

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