デュマやシェイクスピアが、ブログを書くと?

 子供の頃に、『三銃士』『岩窟王』 を読んだことのある人は多いでしょう。 これらは、男の子の読み物で、女の子は読みませんか。 女性の方どうでした?
 それでも、これらを書いたアレクサンドル・デュマの名前くらいは知っているでしょう。
息子がいて、オペラにもなった 『椿姫』 の作者として、名が知られているので、アレクサンドル・デュマ・ペールアレクサンドル・デュマ・フィスと、親子を区別して呼ぶことがありますが、親のほうがはるかにたくさんの作品を書いているし、超有名だから、普通にデュマといえば、親父のほうです。

 私が大学4年生の時だと覚えていますが、その頃学生に人気のあった週刊誌 『朝日ジャーナル』 に、河盛好蔵先生の訳による 『パリの王様』 という物語が連載されていました。
 私は、大学2年と、3年の二年間、河盛先生のフランス文壇史の名講義を一度も休まず聴講していました。
この連載も毎週楽しみにして、発行日を待ちかねて本屋に飛んで行ったものです。 大学4年と言えば、卒業論文を書いていたわけですが、こっちのほうが面白かったですね。
 この 『パリの王様』 とは、アレクサンドル・デュマ・ペールのことです。 この連載、1960年 (昭和35年) に一冊の本にまとめられて、出版されています。 (出版社不明)。
 それが絶版になって、しばらくしてから、1973年 (昭和48年) に、講談社から出版されました。 このブログでいつかデュマの話をするつもりでしたので、ぜひもう一度、読みたくなり、Amazon.co.jp で探したら、古本であったので、早速とりよせました。
 
 連載中は、知らなかったのですが、訳者あとがきによれば、河盛先生は、フランス語本の Roi de Paris から訳されたが、原本は英語版で、それをたえず参照された、ということでした。 Amazon.com で調べたら、out of print になってましたが、 used book であったので、これも取り寄せました。 Title は、King of Paris.
 余談ですが、 『パリの王様たち』 という本もあります。 やっぱり絶版になっています。 今朝中古本を注文しました。
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 そこで、なぜ、いま、『パリの王様』 か、
デュマと 「ブログを書く」 ことと、どういう関係があるか、
です。

 まあ、先を急がずと、ゆっくりと。

 この本を最初に読んだ時から、ずーと印象に残っていて、いつも思い出していたことがあります。
それは、
デュマは、ペンとインクを使用せず、ハサミとのりで、小説を書いた、
ということでした。
 このことばを、そのまま書いてある場所を探したのですが、こういう時、紙の本は不便です。
デュマが、剽窃の訴えられたとか、人の話を無断で借用したとか、ある本で書いた場面を、そっくりそのまま別の本で使っている、 と非難される話はいっぱい出てきます。
 そういう非難に対して、デュマは、時に応じて、反論しています。
その一例を紹介します。
 
 ... しかし、あの場面はシラーの芝居のなかではよくできた場面なんだぜ。 それが僕の芝居のなかにつかわれたらどうして悪い場面になるんだ。 むしろいっそう引き立つぐらいじゃないか。 だって僕の芝居のほうがシラーのものよりずっとうまく書けているからさ」 とデュマは答えた。
 デュマ以外の誰がこんなふうに堂々と自己の剽窃を認めることができたであろうか。
(中略)
「盗む盗むとひとはいうが、アレクサンドル大帝がギリシアを盗んだとか、イタリアを盗んだとか誰もいわないじゃないか。ぼくが他人から取ってくるのは、盗むのじゃない。 制服したんだ。 併合したんだ」

 
 そして、彼がいつも豪語していたのは、彼が 「制服・併合」 して、自作に使ったものは、元のものより、よくなっている、ということでした。
  デュマ (1802-1870) は、彼より前のシェイクスピア (1564-1616) の作品には、ほとんどすべてタネ本があることを知っていました。 そして、そのタネ本は、忘れ去られているのに、シェイクスピアの作品は、時代を超え、国境をこえ読み継がれ演字継がれ、今後もずっとそうなるであろうことを、ていることをデュマは、知っていたのです。

 ただ、デュマが、知らなかったことがあります。 というか、当時では、誰も気づかなかったことです。
現在でも、気づいたいる人は、少ない、というか、ひょっとして私だけかも。
 それは、デュマがやっていたのは、curation だった、ということです。
この curation については、2011年9月に何回かにわたって書いています。
 今一度読んでいただくと、理解が深まります。
キュレーターがネット世界で必要になった
全ての人がキュレーターになる時代
池上彰さんは、元祖キュレーター
「キュレーターには、誰でもなれる?
クリッピングが、簡単になった。


 彼の時代、盗んだ、と言って避難されても、まだ、著作権は存在してなかったので、それは、犯罪行為ではありませんでした。

 ネット時代、ネット上には、copyleft の情報や記事があふれています。 Copy するな、というより、「拡散」 されることを望んでいます。 私のブログも、それを望んでいます。 どうぞ自由に c&p して、拡散してくださいよ。

 それを、単に c&p するのでなく、curate することによって、新しい秩序と言うか価値を与えるのです。
それが、デュマやシェイクスピアのやったことでした。
 
 デュマやシェイクスピアのやったようなたいそれたことはできないよ、
というでしょうが、彼らの時代には、ハサミとのりしか道具がありませんでした。
今は、もっと高性能の道具があります。 並べたり並び替えるのも簡単です。

作文教育では、originality が、強調されました。
他人の書いたものを並べるだけで、original なものができるか、
と、教育者はいうでしょう。

 さあ、どうお答えしましょうか。 答えは、明日の日曜日に。
とりあえず、curation とは、どういうものか、復習しておいてくださると、理解が深まります。

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