英語を聴く、のでなく、話を聴く。TED の聴き方。

昨日の話は、
TED Talk は、聴き方次第で、英語学習に役立つ。
でした。
今日は、その 「聴き方次第」 の話です。
昨日指摘したように、「聴き上手」 は、
一言一句にこだわらず、話の要点を 「聴く」
のです。
They’re “listening for gist,” and not getting caught up in fine-grained analysis.
でした。
そして、肝心なことは、
Before the talking begins, they mentally review what they already know about the subject, and form an intention to “listen out for” what’s important or relevant.

既に知っていることにもとづいて、何が重要か、知るべきことか、それを 「聴きつける」 intention を持って 「話を聴く」 のです。

と言うことは、裏返せば、
「既に知っている」 ことがない話は、聴いてもわからない
ことになります。
ここで、以前に紹介した、私の意味論が参考になります。
2つの entries があります。
文章の意味」が分かれば、話は分かる。なぜ?
「文章の意味」とは?「意味の三角形」で見つかる。

エッセンスを改めて紹介すれば、
単語の意味がわかれば、文の意味がわかり、文の意味がわかれば、文章の意味がわかる
のではなく、
文章に書かれていることがわかっていると、その文章の意味がわかり、文章の意味がわかれば、その文章を構成している文の意味がわかり、文の意味がわかれば、その文を構成している、本来多義なる単語の文中の語の意味がわかる

という意味論です。
詳しくは、上記 titles を click/tap して、再読/初読してください。

このことが、TED の 「聴き方」 の肝心なところです。
つまり、自分に知識のない、したがって興味もない TED Talk を視聴しても、
"what they already know" がないので、
“listen out for” what’s important or relevant.
ができません。
言ってみれば、「馬の耳に念仏」 で、チンプンカンプン、

だから、「聴き方」 の要諦第一は、
自分が既に何らかの知識があり、もっと知りたいという intention で聴こうとする TED Talk を選ぶ。

というと、ことは簡単です。 Self-motivated で、学校と関係なく、自分で 「英語を勉強」 しようとする人には。
もっとも、後から指摘しますが、「英語を勉強」 という 「心構え」 が irrelevant ですが。

ここで、脇道に入って、学校英語教育の問題を指摘します。
小中高や大学で、TED Talk や TED Ed を使う場合、英語の先生が、視聴すべき Talk や program を指定すると、
「聴き方」 が間違って、効果が上がらないどころか、害にになるのです。

大学の一般英語の場合です。
TED Talk には、医学的、工学的、自然科学的なテーマの Talks がいっぱいあります。
それぞれ、医学部、工学部、農学部、理学部の学生がなら、ある程度の知識があり、興味をもつテーマです。
そういうものを視聴させれば、ここに紹介した 要諦 第一の「聴き方」 ができます。
ところが、英語の先生には、そういう Talks は、チンプンカンプンですから、そういうものは視聴させません。
TED Talk を、大学の一般英語の 「授業」 に使う人がいたとしても、使うのは、自分が、知識を持ち、興味・関心のあるものを選びます。
これは、現在の紙のテキストの選び方と同じです。


以前に、このブログで、夏休み子供ラジオ相談室を紹介したことがあります。 昆虫、宇宙の話、植物のこと、小学生の知識の深さや興味・関心の幅の広さに驚かせられます。
中学・高校生ともなれば、多方面の知識、興味・関心を持った生徒が大勢います。
そういう小中学生に、彼らの興味・関心のある TED Talk や TED Ed を、英語の時間に勝手に視聴させたら、英語などわからなくても、話はわかってしまう生徒が、大勢います。

中学・高校の英語の先生は、本来は、すべての教科の内容を、熟知までは行かなくても、自分が高校時代に習ったことぐらいはちゃんと知っていて、自分の生徒がわかってしまう 「英語」 と関係ない TED Talk も、生徒と一緒になって、喜んで視聴すべきです。
が、大学時代に、英語の教員免許をとるために、英文学や英語学を勉強しなければならなかったので、「英語科」 以外の、中学・高校時代に習った他教科のことは忘れてしまったか、興味・関心をなくしてしまった 「英語の先生」 が多いようです。

そういうわけで、
大学の英語の先生も中学・高校の英語の先生も、英語の 「授業」 で、生徒・学生が視聴したら興味・関心を持つ Talk を採用しない。

もっと、悪いことをする 「先生」 がいます。
「英語の先生」 が、最も得意とするのは、英語のテキストを、日本語に訳すことです。
そうすると、一言一句もおろそかに出来ません。
「一句」 どころか、「一言半句」 もおろそかにせずに、「きちんと」 訳すのが、「語学の王道」 と英語の先生たちは仕込まれています。 英語の先生、どうですか。

その態度は、TED Talk を試聴する 「聴き方」 にも 「転移」 します。 一語でも聴き取れないと、気になります。だから、字幕や transript を頼りにします。
字幕や transcript を 「見る」 ようなると、視覚優先で、聴覚が下位になりますから、「聴く」 より 「読む」 になります。
こういう 「聴き方」 をすると、
They’re not “listening for gist,” and getting caught up in fine-grained analysis.
です。

「聴き方次第」 の 「聴き方」 の第二の要諦は、ちょっと言い方が飛躍しますが、
英語を聴くのでなく、話を聴く
です。
英語を聴かなくて、英語学習になるのか、
とびっくりする人もいるでしょう。
明日まで待ってください。 びっくりが覚めるでしょうから。

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この記事へのコメント

Tokunaga
2013年11月07日 19:26
「単語の意味がわかれば、文の意味がわかり、文の意味がわかれば、文章の意味がわかるのではなく、文章に書かれていることがわかっていると、その文章の意味がわかり、文章の意味がわかれば、その文章を構成している文の意味がわかり、文の意味がわかれば、その文を構成している、本来多義なる単語の文中の語の意味がわかる」

という部分、私も同意見です。BBCのニュースを聴いていますが、全く知識のないジャンルのニュースですと何を言っているかは文字情報は分かりますが、理解はしていないです。

先生がよく仰っている「もろもろ」の部分が豊かでないと、英語についての勉強ばかりになってしまうのでしょうね。先生のように「もろもろ」で目の前の英語を理解できるようになりたいです。
SF
2013年11月07日 20:46
Tokunaga さん。
いつもながらの、嬉しいコメントありがとうございます。
Internet だけでなく、BSやひかりTV、WOWOW など、お金を払って TV を見ると(録画して)「もろもろ」のことが、おぼわりますよ。

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