『英語ものしり帖』「首の巻」<You are fired!>

You are fired!

ところで、日本語の「首を切る」には、解雇する、という比ゆ的な意味があります。
労働組合が、「首切り反対」というのは、不当解雇に抗議するときのスローガンです。

この「首切り」を英語で fire ということは、知っている人も多いでしょう。そして、「雇う」方は、hire で、最初の f と h の違いで天地の差があります。

fire と言えば、「火」とか「火事」のことです。これがなぜ「首切り=解雇」となるか、となると、知っている人は少ないでしょう。

「首の巻」の「首切り」の締めとして、この話をしておきましょう。

ご存じのように、英語の語彙には、古来からの Anglo-Saxon 系のものと、11 世紀の Norman Conquest によって入ってきたラテン系のものが混在しています。

そもそも「解雇」などというのは、法的な雇用関係のようなものが出来てからのことでしたでしょう。
何時ごろから「解雇」という行為が行われたかはわかりませんが、そのようなことが行われた時に、使われたことばは、ラテン系の discharge でした。
Online Etymology Dictionary によると、

discharge (v.) Look up discharge at Dictionary.com
early 14c., "to exempt, exonerate, release," from Old French deschargier (12c., Modern French decharger) "to unload, discharge," from Late Latin discarricare, from dis- "do the opposite of" (see dis-) + carricare "load"


それが、13 世紀に cannon が戦闘に使われるようになると、discharge a cannon と、砲弾を発射すると意味に使われるようになりました。
その後、
Meaning "to discharge artillery or a firearm" (originally by application of fire) is from 1520s

fire「発砲」すると意味で使われるようになりました。
大砲という大げさなものだけでなく、鉄砲や拳銃のような持ち運びできる武器から「発砲」するようになったので、discharge という形式ばった単語でなく、
日常語の fire が使われるようになり、そういう武器も firearm と呼ばれるようになったのです。
アメリカの西部では、fire a gun が日常になりました。
画像


そうなると、discharge a person → discharge a gun → fire a gun→ fire a person
という自然の流れができたのです。


Online Etymology Dictionary は、この流れを、このように説明しています。
The sense of "sack, dismiss from employment" is recorded by 1885 (with out; 1887 alone) in American English.
This probably is a play on the two meanings of discharge (v.):
"to dismiss from a position," and "to fire a gun," influenced by the earlier general sense "throw (someone) out" of some place (1871).

fire のこの用法が、アメリカで始まったというのは、さすが、「銃社会」アメリカですね。

"You are fired" で google すると、なぜか、President Trump の画像が沢山出てきます。
画像


これを持って、ながながと続いた「ながーい首の巻」終わります。

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