英語学習工学者のお仕事 その2ーー教えない

テクノロジーの特色は 事を成すのに道具を使うということです。Educational technology つまり教育工学の場合は コンピューターを使うとか LL を使うとか OHP を使うとか最近は電子黒板を使うとかそういう道具を使います。
しかしそれらの道具は全部教える側が教えるために使う道具です。
学習工学の場合は 学習者が道具を使います。
さらにここであっさり言ってしまえば 学習工学では 教えることはしません 教えるのでなく学ばせるのです。
私が2年前に看護短大で英語を担当した時 最初のクラスで学生に言いました。僕はここに皆さんに英語を教えるために来ているのではない。 英語なんか教えませんよ。そうではなく英語を学ばせるために来たのですと。

岐阜県図書館の 英語の本を書く講座で 2年間 で3冊の本を出した K さんが2冊目の本の紹介でこんなことを書いています。その一部を引用します。

私たち受講生がやらされた?ことはどんなことか? まずは各自のスマホなりタブレットなりにさまざまなアプリをインストールすること、中でもツイッターのアカウントを取ることでした。これがITに疎いおじさん、おばさん受講生には最初の難関です。80歳になられる先生に、先生よりずーっと若い受講生がツイッターのやり方を教わるのです。ツイッターは第一関門で、先生は次から次へと聞いたこともないアプリを取り込むよう指示されます。しかしだんだんわかってくるのですが、これらのどのアプリも使っていくうちにすごく便利であることに気づかされるのです。 先生の講義は、ほぼこの「How to use the smartphone」に終始します。英語なんてほとんど教えてくれません。
考えてみれば、先生のご専門は英語学習工学ですから、教えないで学ばせるのが上手なのです。なので生徒は(ちゃんと先生の指示に従ってやる限り)着実に正しい英語を学んでいきます。藤掛メッソドマジックと言っていいでしょう。これは英語を覚える、というこれまでのような苦行のイメージではなく、まるでエスカレーターに乗って単純作業をしているような感じです。 問題は「ちゃんとやるか、やらないか。」ですが。 この点に関しては、受講生それぞれのモチベーションも違いますし、素直に先生の指導を受け入れられるマインドセットになっているかどうかも、それぞれですので、100%の人が見違えるように上達する、とは断言できませんが、少なくとも「本気で英語ができるようになりたい。」と思っている人であれば、講座の最後には自分の自伝パート1が出版できるというふうになっています。


これを見た時は 嬉しかったですね。ちゃんと学習工学が どういうものかわかってくれる人がいた。そして その成果を 証明してくれたと。

実は K さんは前もってこの文章を私に見せてくれた後、「英語なんかを教えてくれません」という部分を、私に失礼だと思って削ってしまったのです。
出版された本の紹介文にこの文が見つからなかったので私はびっくりして、是非これは復活してくださいとお願いしたして 元通りにしていただいたのです。
私としてはここのところが、我が意をえたり、最も気に入ったところなのでした。

では、教えないのに、なぜ学べるのか。続きは明日に。


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