オペラよもやま話 その4 一生に一度は観るべきオペラ

Richard Gere と Julia Roberts が主演した映画に Pretty Woman があります。観た人いますか。

詳しい内容は、下記 Wiki を参照していただくとして、
https://en.wikipedia.org/wiki/Pretty_Woman
話の中に、
Edward takes Vivian by private jet to see La Traviata at the San Francisco Opera. Vivian is moved to tears by the story of the prostitute who falls in love with a rich man.
この後に(だったと思いますが)Richard Gere 扮する Edward が、オペラを一度観ると、言ってみればそれにハマる人と、二度と観ない人に分かれる、というようなことを言っています。
この時、Julia Roberts 扮する Vivian が観たのは、La Traviata でした。日本語では、通常「椿姫」と呼んでいます。
余談ですが、La Traviata という、本来のタイトルは、”迷えるもの」という意味で、人生に迷っている、このオペラの主人公 Violetta の生き様を表しているわけです。
それを「椿姫」と呼ぶのは、このオペラの台本の基になっている、Duma Fils の小説 La Dame aux Camélias (The Lady of the Camellias) に依っているわけです。
ついでながら、Dumas Fils の Fils は、フランス語で「息子」という意味で、Dumas Fils というのは、『三銃士』や『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』を書いた、Alexandre Dumas の息子だから、通称 Dumas Fils と呼ばれているのです。もっとも illegitimate son ですけど。それぞれ Wiki があります。
https://en.wikipedia.org/wiki/La_Dame_aux_Cam%C3%A9lias
https://en.wikipedia.org/wiki/Alexandre_Dumas_fils
https://en.wikipedia.org/wiki/Alexandre_Dumas

そこで、オペラに話を戻して。
つい先日、WOWOW で、2018-2019 年度に MET で初演された、新演出の La Traviata が放送されました。
Diana Damrau の Violetta に、Juan Diego Flórez が初役で Alfredo を歌うということで大評判になった、新演出ですが、オペラに無縁の人には、馬耳東風の話です。
この番組の最初に、La Traviata について、「誰もが一生に一度は観るべきオペラ」と紹介されました。
Pretty Woman の Vivian は、「誰もが一生に一度は観るべきオペラ」を一生の最初に観て、オペラにハマってしまったのです。自分の人生と交差する物語に惹かれたということもあるでしょうか。

では、この「一生に一度は観るべきオペラ」を、私はいつ観たか、というと、それは、昭和34年の2月、第二次NHKイタリアオペラ団の演目にあったものでした。実演を観たのでなく、テレビで放送されたのを観たのですが、今思い出しても、どのような舞台であったか、歌手の名前は覚えていますが、さっぱりその舞台が浮かんできません。
これぞ La Traviata として、初めて観たのは、1,983年(昭和58年)に、日本でも公開された、Terasa Stratas と Placido Domingo を主役とする、Francisco Zeffilelli 監督のオペラ映画でした。それも映画館で観たのでなく、その後に発売されたレーザーディスクを購入して、テレビ画面で観たのでした。
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今考えてもおかしいと思うことがあります。私がオペラを舞台で最初に観たのは、1961年(昭和36年) の第3次NHKイタリアオペラ団の Andrea Chenier と Rigoretto でした。その後も、イタリアオペラ団来日公演、更には、1963年(昭和38年)の日生劇場こけら落としのベルリンドイツオペラ公演の全4演目など、日本でもいろいろオペラ公演を観ています。また、1971−2年の UCSD 滞在中には、ニューヨークへ飛んで MET 公演を観たり、1976年 と1981年のドイツ滞在中には、La Scala, Wienner Staatsoper, Hamburg Staatsoper, Paris opera など、ヨーロッパの主要劇場でいろいろなオペラを観ていますが、不思議なことに、La Traviata は、一度も劇場での実演を観ていないのです。
にも、かかわらず、この「一生に一度は観るべきオペラ」は、多分、最も多くの演出と歌手で観たオペラなのです。
上記 Zeffilelli の映画オペラの次に観たのが、1994年(平成6年)Royal Opera House での舞台上演を収録したこの作品でした。下の画像は、DVD の画像ですが、発売当時はまだレーザーディスクでした。これは、YouTube にありませんが、Amazon.co.jp で、DVD を購入できます。2165円です。
Screenshot 2020-01-16 at 4.26.18 PM.png

Violetta の Gheorghiu は、この時、この役で Royal Opera に Debut したのですが、それを観た Georg Soliti がひと目ぼれして、英デッカに掛け合って、即舞台収録することになった、という話です。Gheorghiu は、このビデオ作品により、世界的に有名な歌手になりました。私はこの頃東京に行った時、新宿駅の地下道の壁一面にこのレーザー ディスクの宣伝ポスターがずらーと並んでいたのを、思い出します。それくらい印象深い Violetta です。
幸いなことに、この公演、全曲 YouTube に upload されています。このYouTube の49分11秒のところ、Violetta が、Morro!(I die!) と叫んで、机を右の手の平で強く叩く場面は、涙を誘いますよ。
https://www.youtube.com/watch?v=WpTmUJO0fus&t=1630s
「一生に一度は観るべきオペラ」この際、just one click/tap 観てみたらどうですか。

先に紹介したように、私が初めてオペラ実演を観たのは、第3次NHKイタリアオペラ団の Andrea Chenier Rigoretto でした。この時、Mario del Monaco の Pagliacci は、実演でなく、12インチの白黒テレビで、一度観ただけでした。しかし、その印象と言うか、impact は、実演で観た2演目に勝るとも劣らず、それこそ、先回に紹介した Smokey Robinson ではないですが、intriguing でした。
ということで、「一生に一度は観るべきオペラ」は、何も実演を観なくても、現代では、YouTube でも、DVD でも、その気さえあれば、いつでもどこでも観ることができます。
そういう時代でも、「一生に一度は観るべきもの」を観ようともしないなら、やっぱり、I can't help you!

そしてですね。実演よりも、録画画面で観た方が、感動することが結構多いのです。
それについては、次回以降に。

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