オペラよもやま話 その21 オペラ映画を撮るのは、誰か?

 先回、あるサイトで紹介されていた 25 (+1)のオペラ作品のリストを紹介しました。それらの映画を撮ったのは、どういう人か、全部の作品について調べました。更に、それ以外のオペラ映画もいくつか見つかったので、それらも含めて、いろいろ調べた結果、今まで気づいていなかったことも含めて、いろいろ興味あることが分かりました。
まずは、一人の例外を除いて、オペラ映画を撮ったのは、本職が映画監督の人が圧倒的に多い、という、まあ言ってみれば当たり前のことですが、特徴的なことが見つかりました。後ほど紹介しました。映画監督以外で、オペラ映画を撮ったのは、まずは、オペラ劇場で演出をしていた、本来のオペラ演出家ですが、劇場のオペラ演出家は、沢山いますが、オペラ映画を撮ったのは、4人だけでした。そして、一人の例外というのは、あの有名な指揮者の Herbert von Karajan が2つのオペラ映画を撮っています。
映画監督でオペラ映画を撮った人は、一人の例外を除いて、本来の映画作品に加えて、オペラ映画は1作品しか撮っていません。一方、劇場のオペラ演出家は、一人を除いて、2作品以上のオペラ映画を撮っています。劇場の演出に加えてオペラ映画も撮っているわけです。
映画監督の撮ったオペラ映画には、大別2種類のものがあります。
ひとつは、歌唱を担当しているオペラ歌手は、映画には出演せず、本職の映画俳優が出ているものです。
このカテゴリーでは、出演しているのが全員俳優の場合と、主役の一人か二人は、オペラ歌手が出演している場合とがあります。
オペラ演出家とカラヤンが撮ったオペラ映画では、全部歌手が出演しています。

映画監督で、オペラ映画を沢山撮ったのは、Peter Weigl というチェコ出身の映画監督です。Wiki があります。それによると、オペラ劇場での演出も手掛けています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Petr_Weigl
次の4作品が、先に紹介したサイトに載っています。このうち、最初の Werther だけが、主役の二人のみに オペラ歌手を出演させています。
その他の出演者と、他の4作品では、出演者全員が映画俳優です。
Werther (Massene
t) 1985
A Village Romeo and Juliet (Delius) 1986
Eugene Onegin (Tchaikovsky) 1988
Maria Stuarda (Donizetti) 1988
Lady Macbeth of Mtsensk (Shostakovich) 1992

私は、この最後の映画の DVD を持っています。
macbeth.jpg

歌手陣は、主役の二人が Galina Vishnevskaya と Nicolai Gedda、オーケストラの指揮が、Vishnevskaya の husband の Mstislav Rostropovich
とそうそうたるものです。
このオペラで有名な場面に、主人公の二人の bed scene があります。通常の上演や、私がもう一枚持っている、歌手が出演している DVD では、この場面では、舞台は暗転し、音楽だけが流れます。しかし、この Weigl の映画作品では、映画俳優が、素っ裸になって、R20 級のポルノ映画顔負けの演技をしています。どうしても、見てみたい人は、Amazon.co.jp にありますが、ひょっとして日本版はぼかしが入っているかも知れません。Amazon.com で買えば、大丈夫でしょう。(何が大丈夫かな?)

Weigl 監督に限らず、オペラ歌手は、その歌唱だけを収録して、映画への出演には俳優を使っているオペラ映画が、もう一つあります。もっとも初期の作品です。
The Tales of Hoffmann (Offenbach) 1951; directed by Powell
次の2つの作品では、主役級は、オペラ歌手が、そのまま出演し、他の役は俳優が出ています。
Boris Godunov (1989) Andrzej Zulawski
La Boheme (Puccini) (2008) Austrian-German film of an opera directed by Robert Dornhelm

ちなみに、Boris Godunov で主役を演じ、かつ歌っているのは、Ruggelo Raimondi です。
また、La Boheme の主役二人は、Roland Villason と Anna Netrebko です。
Boris Godunov DVD.jpgScreenshot 2020-02-23 at 2.14.38 PM.pngLa Boheme では、第1幕の最後で、音楽なしで、Villason と Netrebko が上半身裸で、抱き合っている場面が映されていますよ。映画監督はそういうベッドシーンを撮るのが好きなようです。
ついでに、Karajan が監督した2つのオペラ映画です。
Screenshot 2020-02-23 at 3.31.08 PM.pngKarajanRheingold.jpg
この2つの映画の出演者は全員オペラ歌手です。Karajan は、映画監督でなくて、単に映画監督をするのが好きなので、全員歌手を選びました。映画監督は、なぜオペラ歌手を使わず、俳優を出演させるか。次回に、私の考えを紹介しますが、次回に紹介する残りの、映画監督が撮ったオペラ映画は、出演者には、オペラ歌手を使っています。しかし、音楽家ではない映画監督が選んだ歌手には、共通する特徴があります。これについては、次回以降に、それらの歌手を紹介しながら、私の考えを紹介します。

映画監督が撮ったオペラ映画の殆どは、DVD化されて市販されています。オペラは見ない、という人でも、映画を見ることの好きな人は多いでしょう。オペラと思わず映画として、ここに紹介したり、また、次回以降に紹介するオペラの映画を見てみたらどうですか。

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