Farewell to Windows; Welcome to Chromebook!されど、 生徒を Consumer の地位に甘んじさせてはならない。

 Chromebook が、アメリカ並みに、学校教育でのシェアを50%にするかもしれない事態になってます。
 そういう時代を察知した教科書出版社は、デジタル教科書の動作環境として、
Windows とならんで Chromebook でも「読める」ように対応しています。
 学校教育では、今までデジタル教材を「読む」のに、タブレット、タブレットと連呼し、それももっぱら iPad ばかりを採用してきました。
 コロナのおかげで?社会の各方面で DX 化が促進されるのに、やっと背を押されて教育分野のデジタル化も待ったなしになっています。
 そこで、生徒一人一台デジタル端末となると、iPad では、予算的にやっていけません。というところへ、iPad の半額以下で手に入る Chromebook に地方自治体の長が目をつけたのか、Chromebook を扱う業者が売り込んだか、どちらにせよ、Chromebookのシェアが、2019年度の 1% から、2020年度は13%、2021年度は、24% と予想される急展開の事態が生まれました。わずか2年足らずで、1%から24% ですよ。
 思い出すことがあります。3年ほど前でしょうか。岐阜のあるコンピューター販売会社の知人が、Chromebook を大学生用に採用するように働きかけたいので、どこか紹介してもらえないか、と言ってきました。そこで、ある大学で情報担当責任者をしているのと、ある高専で英語教師をしてコンピューター自慢の、二人の卒業生を紹介しました。その販売会社の知人は、早速その二人を訪ねて、その結果を私に報告してくれました。Windows 以外には目もくれない態度で、取り付く島もない、ということでした。この二人のように、大学レベルも含めて、
Windows 信者が、教育現場のコンピューターシステムの責任者になっていたので、日本では Chromebook がつけ込むスキがなかったのです。それには、ある理由がありますが、それは、今回の主旨から外れるので、ここではとりあげません。
 その事態が変わり初めました。先ずは、学校教育現場での、一人一台デジタル端末という政府の方針で、そういう環境整備をしなければならない地方自治体が、予算の制約上、背に腹を変えられず、2万円台から手に入る Chromebook に雪崩を売って殺到し始めました。
 昔から、学校教育で、コンピューター一人一台ということは、言われていましたが、その実情は、コンピューター教室に40台前後のコンピューターを配置して、40人学級の生徒が、週に一回程度コンピューターで授業をする時に、一人一台で使える、ということだったのです。
 それが、今度は、ほんとうに、一人一台持たせよ、ということになったから、さあ大変です。金は天から降っては来ません。地から湧いては来ません。安いコンピューターないか、ということで Chromebook に目がつけられたのです。
 これが、Chromebook がなくて、Windows PC を買わなければならないとしたら、どうなったでしょう。Windows 導入の場合の経費です。
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 「コンピューター、ソフトがなければただの箱」と言います。Word とか Excel とか PowerPoint とか、いろいろ Windows 定番ソフトをインストールしなければなりません。全部有料です。
 考えても見てください。すべての生徒に Windows PC を配布したとして、その生徒たちが、ソフトをインストールするのをサポートする手間暇がどんなものか。考えただけでも気絶しますね。
 コンピューター室に、40台の Windows PC を配置して、一人一台体制が整いました、では、すまなくなったのです。
 
 この事態の救世主が Chromebook だったのです。私が Chromebook を使い始めたのは、今から7年前、日本から(日本で、でなく)Chromebook が買えるようになった、確かその日でした。Chromebook が、Singapore か Hong Kong か、どちらか忘れましたが、届いたその日に開けた時の状況を、下記エントリーで記しています。読んで見てください。
https://76871734.at.webry.info/201306/article_26.html

 先ずは、驚いたというか、もっとも知ってましたから驚きはしませんでしたが、それにしても感銘したのは、初めからこのような Software というか apps が、
preinstall されていたことです。しかも、全部無料です。それまでの Windows PC に慣れていた身としては、言って見れば驚天動地の心境でした(というのは言い過ぎで、当たり前に思ってましたけど)。
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 Chromebook を手にしたら、それこそ5分で、使い始めることができるのです。生徒全員に配るとしたら、こんな便利なものはないですね。

ということまで、知っていて、自治体の首長は、Chromebook を選んだのではない、と思いますよ。とにかく安いの安いの、と言って選んだと思いますよ。案外知らない人が多いですが、教育予算の決定権を持っているのは、首長で、教育委員会は、予算権を持ってないですよ。
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 私は岐阜県の市町村長の多くと、面談していますが、その中で ICT に通じていて理解のあった首長は、二人だけでした。
 
 ということで、やっと学校現場に Chromebook が普及するという事態になったのですが、気になることがあります。
 それは、Chromebook を、教科書出版社のデジタル教科書を「読む」、というか、学習する道具としてしか使わない、のではないか、ということです。
 これは、つまり、昨日指摘したように、生徒を、学習の consumer ( 消費者)としてしか見てない、ということです。
 After Gutenberg、そして、After Corona の時代では、生徒は、学校教育の
consumer に甘んじていてはならないのです。というか、それに甘んじない生徒が大勢出てくる、と思いますよ。そうなるには、学校教育を担う教員という組織体と戦わねばなりません。今までは、教員側が、Windows PC という、一部の裕福な生徒しか手に入れない武器を独占していました。2万円以下(もっと安くなるかもしれませんよ)で、各家庭で手に入る Chromebook という武器を生徒が手にしたらどうなるか。政府、自治体としては、すべての生徒に、Chromebook を無償で配布することぐらいはするかもしれませんね。
 明日以降の話を先走って言えば、Chromebook は、生徒を、prosumer にする最適、最安値の道具なのです。

 なんか、気合が入って、長くなりました。今日は、このあたりで、Goodbye です。

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この記事へのコメント

y.k
2020年11月01日 06:20
先生
おはようございます。
ここ数日、別のPCのトラブルに見舞われていてブログ拝見するのが遅れましたが、実に刺激的な記事をいくつか、拝見して、早朝のボンヤリ状態から一気に覚醒しましたよ。恥ずかしいですが、これだけ先生が情報発信して下さるのに感想を加えないとと意を決してコメントします。
こう言うことになっているのかと、衝撃を受けました。
最近、新しいPC購入しましたが、Windows、膨大なツールが付いてきて面倒ですね。学校現場の担当者、教育委員会、首長、更にはデジタル庁の皆さんの認識度が上がらないと未来が開けてこないのではと危惧します。