TED Talk は、聴き方次第で、英語学習に役立つ。

今日は、ちょっとむずかしい話です。
難しい話ですが、なるべく易しく話しますので、構えず、気楽に読んでください。

先に、
TED は、「リスニング教材」 なの? 違いますよ!
と、書きました。
実は、この後があったのです。 今日がその話です。

この話は、
Intending to learn

という blog に基づいています。
これは、いろいろな実験や fMR (functional magnetic resonance imaging) による脳波の分析などによって、特に、a second language learning について、特に listening の仕方について科学的な研究を紹介したものです。 英語教育の専門家なら、ぜひ一読すべきものです。

今日は、これにもとづいて、要点を引用しながら、紹介・解説をしていきます。 多分一日では終わらないでしょう。 明日も続くと、覚悟?しておいてください。

このように始まっています。

Listening and observing can be passive activities―in one ear and out the other.
これが、常識であり、常態ですね。 TED Talk を視聴しても、学校の授業でも、講演を聴いても、たいていは、こういうふうです。
ところが、
they can be rich, active, intense experiences that lead to serious learning.
ここに they とは、listening & observing のことです。
ここで、serious が決め手です。 これを、英和辞書的解釈で、「深刻な」 などと訳していては、serious learning とは、どういうものかわかりません。
ここに serious とは、Webster によれば、
serious implies absorption in deep thought or involvement in something really important as distinguished from something frivolous or merely amusing.
この意味を掴んで、serious learning とは、どういうものか理解してください。 これを日本語で説明すると、またおかしなことというか、誤解を招くので、英語のまま理解するようにしてください。

ちょっと横道にそれました。
次が肝心です。
Listen したことが、右の耳から左の耳へ抜けていってしまうか、observe したことが目に残らないで、直ぐ消えていまうか、そうではなくて、listen したり、observe することが、serious learning につながるか、
その差は、
The difference lies in our intention:
the purpose and awareness with which we approach the occasion.

どういう intention を持って、listen or observe するかに、かかっている、
というのです。
ここで、再び intention を英和辞書的知識で 「意図」 などと訳していては、 なぜ 「意図」 によって差がでるか、わからないでしょう。
Webster によれば、
intention is the general word implying a having something in mind as a plan or design, or referring to the plan (which is) had in mind. (括弧内は私の付け加えです)
このように、intention、また、元の動詞の intend を理解しておくと、これからの話しがわかりやすくなります。

そこで、a second language learning に関する research result が紹介されています。
Research on how we learn a second language demonstrates that
effective listening involves more than simply hearing the words that float past our ears.
Rather, it's an active process of interpreting information and making meaning.

ここにいう effective listening とは、listening with intention のことです。

TED Talk を 「リスニング教材」 と考えて、「リスニング力」 を鍛えようとして視聴する人は、そういう 「意図」 を持って listen するのでしょうが、
それは、ここにいう intention とは違う、
というのが、私の考えです。

上の説明にもあるように、listen with intention は、
an active process of interpreting information and making meaning.
だからです。

そういう intention で、TED Talk を watch & listen していると、聞き取れない単語や、分からな文があっても、気にならないというか、聴き取れなかったと意識もしません。
少なくとも私はそうです。 How about you?
ところが、「リスニング」 のために、TED を視聴しようとする人は、一言一句聴き取らないと、我慢できません。
だから、字幕や script で、一言一句確認します。

昔こういうことがありました。
先にも紹介した Linguaphone を cassette に不法コピーして、ある会社勤めの友人にあげたことがあります。 昔々の話です。当時の Linguaphone は、音だけで、言ってみれば 「リスリング教材 (学習材)」 です。
話の中身など他愛ないものです。
でなにがあったか、というと、
その友人が、どこか一箇所、どうしても聴き取れない単語がある、というのです。 そこで、テキストを持っていた私が調べて教えてあげました。 自分は、テキストがあったので、聴き取れたわけです。 テキストがなかったら、自分でも聴き取れなかったかもしれません。 そういう時、どうするか、です。 やっぱり、気にしたでしょうね。
この友人のように、そして、当時の私のように、「リスニング」 のために、「英語を聴く」 と、一言半句も聞き逃すまいと、必死になります。 聴き取れないところがあると、気持ちが悪い、「リスニング力」 が足りない、と自省します。

Listening with intention は、今紹介している blog のタイトルの示すとおり
Listen to learn
です。
TED Talk の場合なら、Talk の内容について learn するために watch & listen するのです。
そういう listen の仕方を、次のように説明しています。

このブログでは、カナダのフランス語のクラスで、同じ先生が、同じレベルの学生に、このような
listening strategies
を前もって説明していたクラスと、
in a conventional fashion, listening to and practicing texts spoken aloud
で教えたクラスでは、前者のほうが、成績が良かった、という research を紹介しています。
そういう listening strategyを持つと、
Before the talking begins, they mentally review what they already know about the subject, and form an intention to “listen out for” what’s important or relevant.
そして、
They’re “listening for gist,” and not getting caught up in fine-grained analysis.

英語教育の専門家の人は、ぜひ原文にあたって、私の紹介以上によく理解してください。

ここで大事なことは、
they mentally review what they already know about the subject
です。
このことは、裏返せば、 what they already know がない subject についての話を聴くと、「チンプンカンプン」 で、listen to learn の strategy は、働かない、ということです。

と、これからの肝心の話しになるところで、皆さんの attention span の限界でしょうから、
続きは明日に。

ちょっと、尻切れトンボの感があります。 今日の gist は、
TED Talk は、「リスニング教材」 にはならないが、聴き方次第で、英語学習に役立つ、
ということです。
どのように役立つか、また、「聴き方次第」 は、科学的アプローチに基づかねばならない、
というのが、この後の話です。
やっぱり、難しい話になりましたか?

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