Table Talk は、おしゃべりではない。真剣勝負。

  昨日から Table Talk の話を始めました。これには、わけがあります。その話は、いずれ will be revealed.

昨日もちょっと触れましたが、今一度強調しておきたいことがあります。
それは、今日のタイトルにもあることです。
食事の時に話をする、など、いつも当たり前にしているよ、と思うでしょう。では、その時に、どういう話をしていますか。
よくあるケースでは、各自が勝手にしゃべりたいことをしゃべっています。ある人がしゃべっているのに、それを終わりまで聞かず、自分のことをしゃべりだす人がよくいます。話はあっちにとび、こっちにとび、とりとめがありません。
それはそれでいいですが、それは、英語で言えば table chat で、table talk ではない、のです。

Table talk と table chat の大きな違いのひとつに、こういうことがあります。
Table chat は、友達の間や、家族・親戚の集まりなど、気の置けない、気心の知れたの人たちが食事をしながら、他愛のない話をすることです。人数も、4,5人から多い時には、10人以上で、周りの数人で固まっていることもあります。

一方、table talk は、初対面の人と、食事をする場合にする話のことです。人数も4人から6人くらいが限度です。
互いに相手の素性を知らないので、ある意味で、探り合いになります。言ってみれば、相手の人となり、もっとはっきり言えば、教養の程度を量る場です。
言ってみれば面接試験を受けているようなものです。
こればビジネス関係の食事の席なら、ビジネスチャンスがなるかならないか、の真剣勝負の場です。
昨日紹介した、大前研一氏や木村泰司氏の記事は、そういうことを言っているのです。

私の Table Talk の経験で、友人同士の Table Talk との大きな違いがあります。
それは、
誰かが話始めると、他の人は黙って耳を傾ける、
ということです。勝手に話をさえぎったりしません。
ということは、話始めたら、ちゃんとまとまった話を、それも相手の興味をそらさないように、話さなければならないのです。
Listen, Shoichi will talk
と言われたりしたことばありました。

というわけで、皆さんが仲間同士て、食事の時におしゃべりしている Table Chat とは、似て非なるもの、ということを改めて強調しておきます。

ついでに、言葉上は似ている Table Speech との違いも、認識しておくとよいでしょう。
Table Speech は、あらかじめ頼まれてすることが多いでしょう。だから、前もって準備をすることができます。原稿を書いてそれを見ながら話しても失礼にはなりません。天皇陛下なども、晩餐会などのスピーチで、原稿を手に話されることがあります。
話している間、聞き手は全員黙って聞いてくれます。退屈な話でも我慢してくれます。合いの手を打つことはありません。
Table Talk は、その時、その場で、どういうトピックになるか、前もって予測ができません。退屈な話をすれば、さえぎったりはしませんが、明らかに退屈顔をするかもしれません。
聞き手としては、黙っているだけではだめで、合図内をしたり、気の利いたコメントを挟むことも大事です。言ってみれば、教養をさりげなく示すチャンスがあります。
学校英語教育では、英語スピーチコンテストが盛んですが、あんなことしていても Table Talk には、何の役にも立ちません

学校英語教育では、debate も英語学習として行われますが、Table Talk では、debate は、禁物です。せっかく食事がまずくなります。
司馬遼太郎 『竜馬がゆく』 によれば、坂本龍馬は、議論が大嫌いだったそうです。あんなもの勝ったところで、恨みがのこるだけ、と言っていたそうです。

こうしてみると、学校英語教育では table talk に備える英語学習は、まったく行われていないわけで、
日本人が Table Talk が苦手なのは、無理もないですね。

外務省用語で、「横メシ」 というのがありますが、これは、Table Talk のことです。外交が専門で Table Talk の機会が多いはずの外務官僚でも 「横メシ」 の苦手の人が多いそうです。

そもそも Table Talk という英語のことばを、このブログで初めて知った人も多いでしょう。

この続きも、しっかり読んで、来るべき Table Talk に備えてください。

最後に話の種をひとつ。
日経の「私の履歴書」今月は、バイオリストの前橋汀子さんです。
今日のエントリーの最後にこんなことが書いてあります。

2年から近くの練馬区立石神井中学に通った。当時の学校新聞のコラム「初夢」に私の寄せた一文が載った。

「小さい希望の灯を初夢でせめて大きく燃やそう。自家用人工衛星に乗って世界中の音楽の都を訪問。ベートーベン、モーツァルトには是非面会。シベリウスとはゆっくり話し合いをしてこよう」。私の「希望の灯」は、現実のものとして燃え上がっていく。


シベリウスの曲の中で交響曲第二番と並んで有名なのがバイオリン協奏曲です。中学生時代の前橋さんが、ベートーベン、モーツアルトと並んで、取り上げるくらいの作曲家なのです。まだ、聴いたことのないひとは、YouTube で聴いてみるといいですよ。教養のために。

"Table Talk は、おしゃべりではない。真剣勝負。" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント