「学習工学」は、「工」(巧み)の技。工学部と関係ない。

 昨日、「学習学」 から 「学習工学」へ、と提案しました。
 「学習工学」とは、聞きなれない「分野」でしょう。そんなものあるかいな、と思った人も多いでしょう。
 google しました。
 ありましたよ。ふたつ。
 広島大学大学院工学研究科情報工学専攻学習工学研究室
http://www.learning-engineering.com/le-home/
2004年から活動を開始しています。
 
 学習工学研究会
http://gakusyu-kougaku.com/
 こちらは、なんと、1964年(昭和39年)4月26日に設立され、現在も活発に活動しています。

 私の考える「学習工学」と、共通するところもあります。違和感を覚えるところもあります。

 取りあえず 「共感」するとろを紹介します。広島大学学習工学研究室の平嶋 宗主任教授の、
「学習工学とは」と題した小論の一節です。全文は、下記サイトで。
http://www.learning-engineering.com/le-home/introduction-learning-engineering
これに対して,「学習」の主体は,学習者のみと考え,学習者以外のものを学習者の置かれている環境,と考えることができる.このように考えれば,学習者は学習者が置かれている学習環境とのインタラクションを通して,学習していくこととなる.この際,この学習環境に教授者が存在するかもしれないが,学習という観点からすれば,本や実験環境,などと同様に環境の一部である.
 
 学習工学研究会の現会長大谷 尚 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科 教授)さんの自己紹介文に書かれていることにも、大?共感しました。私と学部が同窓で、勤務校が私の大学院の母校であることも、影響しているかな。
 
 ただし、その中のお一人でいらした博士課程の院生で非常勤講師に来ていらした和田守先生(現在大東文化大学学長)にこのことを話すと「君は教育学をやりたいのか、教育について考えたいのか、どちらですか?」とたずねられました.「その二つは違うのですか?」とたずねると「違うのです.教育学をやりたいのではなく教育について考えたいのなら、教育学科には進まないほうがいいのです.」と言われました.しかしその時の私には、その意味がよく理解できませんでした.
1972 東京教育大学 教育学部 教育学科 教育学専攻に入学
 高校時代の希望通り「教育学」を専門とする学科に入りました.しかし1年したころ、高校時代に和田守先生から言われたことの意味が分かりました

 そういうことなのです。

 ちょっと道草しました。
 私が、違和感を持つところを、お話するには、私自身が 「学習工学」をどのようなものと考えているか、それを先に話さなければなりません。
 その話をさっそくはじめます。
 「工学」ということばを、目にし、耳にすると、多くの人にピンと来るのは、大学の「工学部」 のイメージでしょう。
 工学部と言えば、真っ先に思い浮かぶのは、土木工学、機械工学、金属工学、河川工学、建築工学など、「固い」イメージです。
 「応用化学」「高分子化学」なども、工学部の学科にあります。これらには、「固い」イメージはありませんが、真空管や実験装置をイメージします。やっぱり 「工学部」のイメージです。
 電気・電子関係の学科もあります。普通の人には、機械・機器の世界です。ロボットもやわらかい肌は、連想させてくれません。もっともロボットは、どんどん進化していますが。

 「工」の字源は、
画像

象形説: かぎ型のものさし。指事説(藤堂): 穴を開けることを意味する。「攻」(突き抜く)の原字。「孔」「坑」「空」(あな)と同系。「江」は大地を貫いて流れる川。玉に穴を開け細工するのに、技術がいることから「たくみな」等の意を生じた。
http://ja.wiktionary.org/wiki/
 「工」の源は、「たくみ」でした。「たくみ」の漢字は 「巧み」。「工」が入ってます。
「飛騨の匠」には、「匠」が使われていますが、もともとは、「工」でした。
http://kotobank.jp/word/飛騨工
 子供のころに、大工さんに 「巧みな」仕事ぶりに見とれたことがあるでしょう。「大いに」「工」(たくみ)なので 「大工」と呼ばれたのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/大工
 「工」を使った熟語を見てみましょう。
工緻、工夫、細工、工面
は、「巧み」を施す 「わざ」をいみしています。「工面」は、高度の 「わざ」ですよ。もの作りしてみるとわかりますよ。
工程、施工
は、「わざ」を施す行為です。「工」の「わざ」を持ってないとできません。
工芸、工匠、工房
は、「工」の「技」や、その「わざ」を振う人や場所です。

どうですか、この 「工」のイメージ、大学の 「工学部」のイメージと、ずいぶん違いません?
特に、工学部の教授さんたちの 「堅物」のイメージと。「たくみ」のイメージを持つ工学部の教員は、いたかな?ちょっと思いつかないな。
 大学の委員会などでも、「工学部」の教員にはてこずりましたよ。融通がきかなくて。農学部、医学部の人たちは、農作物や動物、人間というやわらかいものを相手にしているせいか、やわらかい人が多かったですね。
 余計なことを言いました。Retired professor の特権ですので、お許しを。
 
 本道にもどって。
 私の考える 「学習工学」は、工学部に連想される「固い」ものでなく、「たくみ」の技と共通するものなのです。
 だから、そこには、常識では 「学問的」ではない、やりくり 「工面」や 「工夫」「細工」もかかわってきます。
 何より、「大工」のように、よくこんなものができた、と人々が感心し、なおかつ、ちゃんと 「住める」「使える」など、「役に立つ」ものを作る 「工学」なのです。
 そうとなると、最初に紹介した二つの 「学習工学」とは、違和感がでてくるのです。
 
 今日のところは、これ以上の left one hand typing は、無理ですので、この続きは、明日に。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 3

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック