学習指導要領は、金科玉条ではない。超えるべきもの。

TOEFL 反対派の人たちは、その理由の一つに、学習指導要領の範囲を超えている、ということをしきりにあげています。
  昨日の私のけしかけにのって、うっかり、ネット上の material を使って英語の 「授業」 をしたら、ネット上の英語の contents は、語彙数にしても、学習指導要領を‎超えているから、怒られはしないか、と心配する人もいるでしょう。
 こういう話がありました。中学校必須単位の中に、clean はあっても dirty はありません。Wide はあっても narrow はないです。だから、教科書に出てきません。教科書に出てこないので、高校入試には出ません。高校入試に出ないものは教えなくてもよい、ということで、中学校の英語の先生は教えません。
 例の O 先生は、そんなことバカげていると、いつも言ってました。余分に教える分には文部省は文句をいわない、と。先生まだご健在ですから、私の言っていることが、確かかどうか、疑うなら確かめてみたら。もっとも、今の教科書調査官はどういうかわかりませんが。
 先に紹介した話があります。
 私が文部省特定研究で開発した SF Modular System は、語彙数から何から何まで、学習指導要領の指定する範囲をはるかに超えています。語彙数なら、10,000 語を超えています。
 ‎その特定研究の中間発表をしたとき、その会場では、他の英語関係の発表もありました。会場にはその特定研究 「言語」 の仕掛け人、当時の文部省研究助成課長 (後埼玉大学大学院科学技術行政教授、埼玉大学定年退官後は金沢工業大学教授)の T 先生がみえました。残念ながら T 先生は、先年お亡くなりになっています。
 ひととおり、研究発表が終わった時、 T 先生が立ち上がって、藤掛さん以外の研究発表は、みんな学習指導要領の範囲内のことだけで研究している。文部省としては、現行の学習指導要領がベストのもの、金科玉条とは思っていない。それを超えることができるような、教え方・学び方を開発してほしい、というような趣旨のことをおっしゃいました。
 以前にも紹介した。学習指導要領で、必須単語の数がどんどん減らされてきたのは、校長会からの強い要望があった、とは、O 先生から聞いた話です。
 その理由は、生徒が、ちっとも単語をおぼえないから。
 馬鹿もほどほどにしてほしいでしょう。先生がちっとも単語をおぼえさせられないから、でしょう。
 校長会は、「教」 側の利益代表です。先にも紹介したように、当初の共通一次での Listening test にも反対しました。教える側が困るから、です。
 繰り返しますが、文部科学省の官僚の主体は、「学」 側にずっといて、英語学習については、無駄な努力を強いられてきた人たちです。そして、public servant ですから、「学」 のためになることをする責務があります。
 ある英語教師が学習指導要領を超えることを教えて、それがうまくいったら、たとえば、学習指導要領の定める以上の語彙を教えるのに成功したら、それができるなら、必須語彙の数を増やすように、学習指導要領を改定しよう、と、常識のある人間なら考えるでしょう。常識のある人間が多数を占めている世間もそう思うでしょう。
 ところが、その学校の校長さんや、指導主事の中には、これが基準になったら、困る先生が出てくる。
 と 「学」 側の生徒のことより、「教」 側の教師のことを考えて、こら、お前のやっていることは、学習指導要領を逸脱している、と取り締まるかもしれません。
 先輩教師から圧力もかかってくるかもしれません。
 昔なら、どこに訴えたものか、直接文部省で訴えるわけにもいかず、泣き寝入りになったでしょう。

 今は、ネット世論があります。
 例の Scotland の小学生 Martha Payne ちゃんが、自分の学校の school lunch を写真にとって、NeverSeconds と名付けた blog に毎日載せ、コメントを加えていました。そうしたら、学校当局と教育委員会に当たるところから、写真を撮ってはいかんといわれました。最後の blog entry のつもりで、Goodbye と題して、そういうわけでもう写真が撮れないので、この blog やめます、と書きました。
 そうしたら、世界中から抗議のメールが、その日のうちに、教育委員会やら学校に殺到して、撮影禁止は一日にしてとりけされました。その際は、私も教育委員会へ、何あほなことやっとる、言うような趣旨のメールを出しましたよ。英語で。後から丁重なお詫びの返信がありました。
 そういう時代です。学校で指導要領を超えることをやろうとしたら、日頃から blog を書いて、こういうことをやっていますと、世間に公開しておくのです。指導要領に反したことは、だめですが、それが世間の共感を得られていれば、自分の努力が禁じられた時に、その事情を blog で公開すれば、「学」 側の世間は、放ってはおかないでしょう。たとえ、その blog の読者が、微々たる数であっても、twitter や Facebook でアッと言う間に世間に広まりますよ。
 今回の TOEFL の問題でも、「教」 側の人間のほうが、blog を持っている人が多く、「学」 側がすくないので、反対意見のほうが有力なのは、ちょっと残念です。
 学校教育で、「本読め」 ばかり言って、「本書け」 と言わない、「教」 側の戦略が成功しているのです。
 これからは、「学」 側は、「教」 側に対抗するために、「教」 側の書くものを読まされるだけに甘んぜず、blog や twitter などの SNS を使って、どんどん 「書く」 だけでなく、書いたものを、世間にむけて publish することです。
  ということで、勇気をもって、指導要領を超える、自己流英語教育をやってみたらどうですか。私が現役なら、やるのになあ。
  必要とあらば、指導要領をはるかに超えた、SF Modular System 英語学習指導術を伝授しますよ。文部省特定研究で開発したものです。T 先生のお墨付きです。
と、書いてはみたものの、これはいったい誰に書いているのだろう。高校の英語教師でこれを読む人はいるかなぁ。
  まあいいか。書きたいこと書いておけば。

  最後の T 先生の冥福をお祈りします。

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